研究課題/領域番号 |
15520244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
重藤 実 (重籐 実) 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (80126078)
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研究分担者 |
幸田 薫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30126776)
工藤 康弘 関西大学, 文学部, 教授 (70178010)
井出 万秀 立教大学, 文学部, 教授 (10232422)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 言語類型論 / 動詞カテゴリー / 初期新高ドイツ語 / テクストコルプス |
研究概要 |
1 この研究では、まず言語類型論で研究されているカテゴリーを検討した。予想通り、初期新高ドイツ語文法記述へ適用できるものとしては動詞に関するカテゴリーが中心となるが、動詞領域のみではなく名詞領域にも関するカテゴリーである「数」も、言語類型の指標として有効であることがわかった。「数」に関するドイツ語のデータを収集し、分析を進めた。初期新高ドイツ語のみではなく、中高ドイツ語から現代ドイツ語に至る数の不一致に関するデータをある程度整理することができた。また、動詞領域から名詞領域への変化をもたらす「名詞化」という現象についても、理論的な分類枠をまとめることができた。 歴史的変化を説明するためには「生産性」という概念が重要であることも明らかになったが、生産性の変化が生じる仕組みの解明は、今後の研究を待つ必要がある。 2 分析対象とする初期新高ドイツ語のテクストとしては、主に既存のテクストデータを利用したが、独自に作成した小規模なハンス・ザックス謝肉祭劇のテクストコルプスも、データ分析のモデルとして使用できた。しかしさまざまな文法情報を付加した大規模なテクストコルプスを作成するのは、大規模なプロジェクトが必要であると思われる。 3 形態論・統語論・意味論に関する、最近ドイツで出版されている初期新高ドイツ語文法記述の検討を進めた。しかし音韻論に関しては、言語類型論からの視点を具体的な文法記述に生かすことはむずかしいとの結論に至った。 4 この研究の一部について、日本独文学会の語学ゼミナールや研究発表会でのシンポジウムで紹介し、学会員から助言を受けた。 5 この研究により、通時的変化を言語類型の変化として記述することの可能性を示すことはできたと思うが、具体的な初期進行ドイツ語文法記述を進めることは、今後の研究に任せたい。
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