研究課題/領域番号 |
15520251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三谷 惠子 (三谷 恵子) 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10229726)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 南スラヴ語 / チャ方言 / ドゥブロヴニク / バルカン / 中世ボスニア / 中世ダルマチア / 中世セルビア / シト方言 / *eの反映形 / ダルマチア / 中世ボスニア王国 / ポーリツァ |
研究概要 |
本課題研究においては、14〜15世紀の南スラヴ語の諸相を、その文化史的背景との関連で考察した。6世紀からバルカン半島に進出したスラヴ人たちが文字言語文化を得て自らのことばで自らの文化を書き残し始めたのは11世紀以後と、その歴史は比較的浅いが、キリスト教文化を受容し、封建国家が形成されるとともに各地には文字言語文化を担う社会層すなわち聖職者や貴族らが誕生し、それぞれの地域で独自の言語文化が形成された。北ダルマチアのグラゴール文化圏では、スラヴ語典礼が認められた13世紀以後、グラゴール文字を用いた宗教文献、また翻訳ものなどのテクストが作られ、また内陸のボスニアやセルビアでも、キリル文字を使用した宗教文献や世俗文書が書かれた。本課題研究においては、14世紀か15世紀のころに作られたそれらの文書の言語を、一定の規範を指向する文章語ととらえ、古教会スラヴ語からそれぞれの地域での土着の言語の特徴を反映させた地域的文章語がどのような特徴をもつに至ったかを、具体的な資料の分析を通じて明らかにした。 また、中世から近代に至る間アドリア海交易に重要な役割を果たしたドゥブロヴニクの存在に注目し、ドゥブロヴニクに関連する文書、またドゥブロヴニクに残された文書の分析を行い、ドゥブロヴニクという中世自治都市の存在を軸に中世バルカンの言語文化の諸相を考察した。研究成果報告書においては、本課題研究の成果として、ドゥブロヴニクの文書館に残されたボスニア最古の支配者の書状の分析、グラゴール派の『聖務日課書』におけるキュリロスとメトディオスの伝統、ドゥブロヴニクの由来と発展に関与する『ドゥクレア司祭年代』の分析をまとめた。
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