研究課題/領域番号 |
15520253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
前田 広幸 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40219275)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 文末辞 / パラレルコーパス / 終助詞 / イントネーション / 方言 / 間投助詞 / 音調 / 境界トーン / 高知県方言 / ネ / 十津川村方言 / ノーラ |
研究概要 |
本研究の背景にある大きな研究の流れとしては、日本語の音声や文法の研究の中で、イントネーションを分析対象にした研究がさかんになってきていることがある。その中でも特に本補助金研究の出発的となった問題意識は、現代の東京語と京都語を比較してみた場合、文末辞が構文階層上あらわれる位置と、音調特性との間で共通面がみられると思われたことから、より広い範囲の方言談話資料を材料に、文末辞に関係するかとおもわれるプロソディー特徴を分析していく中で、日本語のバリエーションの中で、文末辞がになう音調特性に関し、どのような共通面、相違面がみられるか明らかにしていこうという点にあった。 その目標に向けた研究の具体的成果としては、次のようなものがあった。第一に、研究の基礎となる、比較音声コーパスの作成である。奈良県吉野郡十津川村那知合にて収録した方言談話の、文字化・共通語対訳付け・音声ファイルとの関連付けを行った比較音声資料のうち文字テキストを、本報告書第1章におさめている。第二には、そのような資料をもとに、終助詞・間投助詞の音調方向、ポーズ長という音声特徴と、話者交替の有無という談話展開上の特徴とのかわわりを分析し、同一要素の構文上の機能分化(終助詞・間投助詞)について考察していくといった研究方向の重要性の確認である。 ほかに、京都語については平曲譜本のような文献資料の利用法を工夫することにより、古い時期のイントネーションのあり方について研究することも可能で、日本語イントネーションのバリエーションについて研究する上での関連基礎研究として、『平家正節』の無譜記部や特定墨譜列からどのようなイントネーションが推定されるかを考察した論文を、報告書末におさめている。
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