研究概要 |
ロシア語における語彙は、ソ連邦崩壊後、市場経済移行の下で、特に経済、経営、税制、金融、会計における分野で著しく変化を遂げた。それは現在、英米語圏の政治、経済、社会、技術の動向に大きく影響されるという形で顕在化している。特にビジネスの世界共通語といわれる会計および、その関連分野でロシア語語彙は大きく変化している。市場経済移行のなかで実態としての会計制度自体が欧米を中心とする国際会計基準の影響を大きく受けていることも挙げられる. 研究成果の概要は以下のとおりである。 1.ロシアにおける経済,ビジネス語彙の内容まで踏み込んだ定義と研究 2.同上,英語での考察。 3.ロシア語による経営財務の正確な紹介。 本研究は研究代表者の専門とするロシア金融インフラ確立の観点から特に会計、税制、銀行、務等に関わるロシア語語彙の概念と内容の変化を中心に研究を進めていくことに力点を置いた。 いくつかの分かりやすい例を挙げると、従来英語のmanagementにあたるロシア語はなく、管理と経営が同じ意味で同じ言葉で使われていた。それが現在ではロシア語化してменеджментとなっている。また、監査auditという概念や言葉がなく、ロシアでは国家による検査проверкаがあるのみであったのが、ソ連邦崩壊以後、英語の監査がロシア語化してаудитとなっている。 なお、残念であるが、諸般の事情で語彙集の完成は見送った。それに替わるものとして,ロシア語による正確な経営財務の紹介を行なった。
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