研究課題/領域番号 |
15520282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
菊地 悟 岩手大学, 教育学部, 教授 (30204829)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 石川啄木 / ローマ字日記 / ローマ字表記 / 日本式 / ヘボン式 / 独立発音符号 / 国音羅馬字法略解 |
研究概要 |
本研究においては、石川啄木「ローマ字日記」のローマ字表記自体を対象とする調査・研究を行い、以下のような成果が得られた。 1 石川啄木「ローマ字日記」の電子化テキスト作成 従来の「ローマ字日記」研究においては、ローマ字表記自体が軽視されていたきらいがあり、活字本でのローマ字表記も原本への忠実さに欠ける点があった。本研究では、啄木自筆原本こそ閲覧できなかったものの、市立函館図書館所蔵のモノクロ・コピー版、ならびにその欠落部分については函館市文学館所蔵のカラー・コピー版、を直接参照することにより、原本に最も忠実と思われる電子化テキストを作成することができた。 2 「ローマ字日記」のローマ字表記の分析 1で作成した電子化テキストを底本として、日記の1日ごとのローマ字使用の実態を明らかにする表を作成した。従来、日本式・ヘボン式の使用状況によりおおむね4期に分けられるとの指摘はあったが、それをさらに精査した。また、「ローマ字日記」中の「国音羅馬字法略解」の注にある「独立発音符号」が日記本文中に2例使用されていることを確認した。 3 啄木のローマ字表記のローマ字史上への位置付け 「国音羅馬字法略解」には、上記の「独立発音符号」に加え、「拗音がすべての行で5段にわたって記される」という特徴がある。これを、主として国会図書館所蔵のローマ字関係資料と比較対照した結果、現時点では、前者には末松謙澄と丸山通一、後者には南部義籌の先例があることが判明している。 2・3については、日本語学会2004年度秋季大会(於・熊本大学)において口頭発表を行い、現在学会誌『日本語の研究』へ投稿中である。
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