研究課題/領域番号 |
15520286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
山本 いずみ 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20211609)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2004年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 明治期の翻訳 / 新文体の創造 / 一人称代名詞 / 和文脈 / 漢文脈 / 新しい書き言葉 / 黒猫 / 榎本破笠 / 翻訳 / 明治 / ミステリー小説 / 新文体 / 人称代名詞 / 欧文脈 / Edgar Allan Poe / The Black Cat / 蔦紅葉 / The Murders in the Rue Morgue / E.A.Poe |
研究概要 |
本研究の目的は、明治期の新文体の創造期における、翻訳文学が文章語に与えた影響について、ミステリー小説という極めて大衆的な分野から見ることにある。そのために、以下のようなことを行った。 平成15年度:E.A.Poe原作"The Black Cat"の明治期の翻訳(広い意味での)を集め、原文に沿う形で切り分け、Excelの一覧表とする作業を中心に研究を進めた。用いた資料は、饗庭篁村「西洋怪談黒猫」(明治20年11月『読売新聞』)から平塚らいてう「黒猫」(明治44年12月『青鞜』)までの6作品であった。また、明治期の翻訳という観点からShakespeare原作"Hamulet"の翻訳6本を取り上げて比較検討し、「それぞれのハムレット」(名古屋工業大学紀要第55巻)としてまとめた。 平成16年度:榎本破笠「蔦紅葉」(原作は"The Murders in The Rue Morgue"明治25年11〜12月『やまと新聞』)を中心に研究を進め、前年度の"The Black Cat"に関する考察を「独白する者-"I"の変遷-」としてまとめ、名古屋言語研究会で発表した。また、明治期の翻訳語という観点から「情報」という言葉の変遷を論文「情報通」(『人間社会論集IV技術社会のバックグラウンド』vol.4所収)としてまとめた。 平成17年度:伝統的な和文脈「私…われ/わが…」および漢文脈「余…われ/わが…」が新しい書き言葉「私…自分/自身…」へと移り変わる様相を「日本の『黒猫』における一人称代名詞の変遷について-Edgar Allan Poe原作"The Black Cat"-」(『児童文学翻訳作品総覧アメリカ・ギリシャ・アラブ編』所収)をまとめる一方で、『現代語で読む「松陰中納言物語」付本文』(和泉書院)を著わし、和文脈の中においてどのように会話文が成立しているかについても検討した。 以上より、使用された人称代名詞の変化と文体の密接な関係を利用することで、文体変化の一端を明らかにすることができた。また、研究の過程で、独白文と会話文で用いる人称代名詞が異なることに興味を惹かれた。今後は、この点を掘り下げ、会話文の独立と新しい書き言葉成立の関係を明らかにして行きたいと考えている。
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