研究課題/領域番号 |
15520308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
野口 徹 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (20272685)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 照応 / 再帰代名詞 / 束縛理論 / 意味的合成 / 複合述語 / 代名詞解釈 / 制御 / 編入 |
研究概要 |
本研究課題の中心的なテーマは、再帰代名詞に見られる意味解釈の可能性を再帰形態素の形態統語論的な性質から導きだし、照応理論を再構築することであった。主に現代英語と日本語について、記述的・理論的観点から分析を進めた結果、以下の知見が得られた。 (1)再帰代名詞の意味解釈は、再帰形態素が意味解釈上他の述語と複合述語を形成する場合と、再帰代名詞全体が統語的に独立した項として振る舞う場合とがある。 (2)再帰代名詞が独立した項として機能する場合、統語的連鎖を形成する場合と選択関数を介して意識主体照応の解釈を受ける場合とがある。 (3)以上の結果、束縛条件Aは、独立した文法の条件ではない。 以上の提案に基づき、再帰代名詞が示す基本的な統語的・意味的性質を捉えることが可能となった。 その一方で、なぜ(1)と(2)に示した可能性が存在し、また、それらがどのように関係付けられるのか十分に明らかにされたとは言えない。また、交付申請に記した通時的観点からの英語の再帰形態素の成立過程については、十分な検討がなされておらず、制御を含むその他の照応現象と再帰代名詞の意味解釈との関連付けも十分になされていない。しかし、その一方で、当初の計画ではそれほど重要性が認識されていなかった意味的合成の問題が深く関わっていることが明らかになり、形式意味論研究から得られた知見と本研究課題との関連性を探ることができた。今後は、これらの研究を統合し、より包括的な照応理論を築いていくことが重要な課題となる。
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