研究課題/領域番号 |
15520313
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
後藤 万里子 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (20189773)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | HAVE-Perfects / Perfect Participle / Present Tense morpheme / Discourse Context / Speech Act Participants / Have or Possession / Immediacy / Imperfectivity / Auxiliary HAVE / the Present Tense morpheme / German Perfekt / the Speech Act / Aspectual Distinction / 時制の指示機能 / 古・中英語の完了形 / 完了形の使用文脈の特徴 / 結果構文 / 欧州諸言語の完了形 / アスペクト / 古・中独語の完了形 / 完了形のHAVE / 過去分詞の意味機能 / Reference Point / Current Relevance / 古英語の完了形 / 完了形の文脈の特徴 / 現在完了形と副詞句 / Temporal Profile |
研究概要 |
本研究の目的は、現代英語の現在完了形の意味機能と諸現象を、特に時制や他言語の類似形式との関係における位置付けを明らかにしつつ、学習者にも分かりやすい形で説明し得る原理を認知言語学的手法で解明し、完了形の歴史的変遷において検証することにあった。 英語の現在完了形は、基礎的構文の中でも特に謎が多く、説明付けの難しい項目とされてきたが、それらの研究の進展を阻んできた要因として、現在完了形を過去形の一種とする見解があり、その背景には、1)時制機能そのものに関する研究が不十分であったこと、2)欧州諸言語の完了形が過去の出来事、又は過去の出来事も表すに至っている類型論的事実やその分析からの影響がある。 本研究では、先ず、ギリシャ語に端を発するHAVE完了形の広がり方に鑑み、完了形の過去への変化は12世紀のパリに始まり、先進的な文化の伝播と共に17世紀に西及び南ドイツに広がった中央欧州の局所的現象で、英語はその流行の伝播の外側にあったというDrinka(2003)の研究をもとに、中央及び北欧にまたがる諸言語の現代現在完了形を検証し、その影響が周辺になればなるほど薄いこと、言語の系統・地理的隣接性・政治・経済・文化に関わる人々の動きが深く関わること、仏に始まった完了形の意味変化やその伝播は、英国が他国に影響を受けた時代より遅かったこと、などを挙げ、2)の要因を排除した。かつ英語の時制の意味自体、および完了形における時制形態素の働きを同一原理で説明し、話者の意図する発話の場での状況を表すHAVE、それを修飾し特色づける過去分詞の働きを構文の意味として明らかにし、現在完了形に関するこれまで未解決の様々な問題に自然な説明を与えた。 尚、その成果は、5点の雑誌論文、5回(国際学会2回を含む)の学会発表、及び著書の一部として発表した。
|