研究概要 |
本研究では中世英国韻文ロマンス作品を対象に、表現の特徴を探るのが目的である。具体的には次の3項目について調査した。 1.口承伝統における反復表現および対照表現 2.「埋め草」的表現の果たす役割 3.ロマンス作品の詩行(line)の始まり方と作品の個性および口承性 補助金の交付を受けた期間中に行った研究の一部はSyntax and Style in Middle English Metrical Romancesと題する論文(博士学位論文(九州大学2005年6月19日))に組みいれた。また、2006年3月イギリス・ヨーク市で開催のRomance in Medieval England学会における口頭発表は、修正の上、Enumeration Middle English Metrical Romanceと題して22 Essays in English Studies(Shohakusha,2007年3月予定)に掲載した。 今年度は、2006年5月開催の日本英文学会シンポジウム#5「中世ロマンスー文学的研究と語学的研究の壁を越えて」の企画・実施(司会者を務めた)の過程で研究の必要を感じたテーマを加味して上記項目(1,2)について研究を継続した。その成果はFood and Feasts in Middle English Romanceという題でNordic Confernce for English Studies(Bergen, May2007)で口頭発表を行うことになっている。また、Instruction in Middle English Metrical Romanceという題でもう一つの論文を作成中である。
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