研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、初期近代英語における法助動詞を言語使用者に着目した語用論的な視点から記述・分析することである。法助動詞の歴史的な研究に関しては、その語用論的な側面に注目したものが近年発表されるようになった。しかしながら、これらは言語行為等のミクロなレベルでの研究に留まっており、ポライトネス、会話や談話といったマクロなレベルにおける検討は殆ど行われていない。本研究では、統語論的、意味論的なファクターをも考慮に入れながら、マクロなレベルに踏み込んだ語用論的分析を行った。1 理論と記述のバランスに配慮し、文献学と言語学とのインターフェースを目指した。2 統語論的、意味論的、語用論的ファクターの区別を明確にし、歴史語用論の弱点を克服した。3 コーパスを絞り込むことにより、それぞれのファクターを詳細なバリエーショニストの方法論に従って分析した。4 ポライトネス、会話や談話といったマクロ語用論的なレベルの分析を行った。5 先行研究が単なるバリエーションの問題としている法助動詞の交代を談話レベルにおいて説明した。6 縮約形も含めた分析を行い、この発達段階における法助動詞のシステムを忠実に記述した。7 法助動詞を分析の対象としつつ、コミュニケーションのダイナミクスを分析することを試みた。法助動詞の歴史的な研究は、過去に言語使用者がどのようにコミュニケーションを行っていたのかを解明することにほかならない。さらに社会的・認知的な側面をも取り入れた分析が必要となろう。
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Research bulletin, Faculty of Humanities, Shigakukan University 27
ページ: 47-66
14th International Conference in English Historieal Linguisties(14ICEHL)
14th International Conference in English Historical Linguistics (14 ICEHL)
Doctoral dissertation. Pozna. : School of English, Adam Mickiewicz University