研究課題
基盤研究(C)
15年度は、プログラム評価理論の理解を深める一方で、主にインターネットを使って、マーケティングや政策評価に用いられている満足度の調査手法を検索した。その結果、満足度評価ではアンケート調査による直接的な質問が主流と見られるが、満足度と重要度を調査して、そこから改善へのニーズ情報をつかむ手法も日本でかなり定着していることがわかった。この方法を、筆者が責任者をつとめる夏期集中日本語教育プログラムで実施してみたその結果、改善などのニーズは見えてくるが、この手法での質問だけでは信用性が低く、別の手法との組み合わせによるトライアンギュレーションが重要であることもわかってきた。16年度は、まず『大学教育学会誌』で、「プログラム評価」の基本概要をまとめ、夏期集中日本語教育プログラムでの評価事例を考察した論文を発表した。次に、2003年に行った重要度・満足度評価の概要を、日本工学教育協会大会で発表した。この発表では、メリットとして、分析方法が簡単であることと、改善が必要な項目の優先順位が明確になり説得力があること、デメリットとして、各項目を二つの観点から判定するために回答に手間がかかること、そして改善項目の優先順位はわかるが不満の内容やその理由は別の手法で調べる必要があることを示した。それから、論文「自己評価票を利用した日本語教育プログラム満足度評価」を発表した。この自己評価票は、プログラムの開始時と終了時に、留学生自身が各自の日本語および日本文化・社会理解の程度を自己判定し、その伸びの程度を踏まえて、満足したかどうかを尋ねるものである。この手法では、単に「満足だったか」を尋ねるだけでなく、彼らが実感する能力の伸びのようすを明らかにすることができるので、満足の様子を多面的に描き出すことが可能となった。
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言葉と文化 第6号
ページ: 13-34
Languages and Cultures No.6
言葉と文化 第6号(未定)
40006725574
大学教育学会誌 第1号
ページ: 107-118
工学・工業教育研究講演会講演論文集 平成16年度
ページ: 173-174
Journal of the Liberal and General Education society of Japan Vol.26,No.1
Japanese Society for Engineering Education, Conference Proceedings
大学教育学会誌 第26巻・第1号