研究課題/領域番号 |
15520382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外国語教育
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
矢野 謙一 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (00271453)
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研究分担者 |
岸田 文隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30251870)
植田 晃次 大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (90291450)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 朝鮮語 / 文法 / 教材 / 教育プログラム / 教育課程 / 形態論 / 品詞分類 / 助詞 |
研究概要 |
この研究では、学習文法の記述、それに基づく学習プログラムの開発、日朝両語の特性をいかした双方向からの教材開発がなされた。 1.学習文法の記述は日本の中学、高校の課程で学ぶ国語文法の考え方を朝鮮語に適用し文法を記述することを試みた。特に「文節」の概念を導入し自立語と付属語に分け朝鮮語の品詞を分類し、各品詞についてその性質を日本語の品詞に留意しつつ記述した。また付属語のうち体言につく付属語、助詞について日本語を対照しつつ詳しくその用法を記述した。これにより「文節」の概念は朝鮮語の文法記述においても朝鮮語教育においても有用であることを示した。用言につく付属語、用言語尾については今後記述の予定である。 2.学習プログラムの開発では朝鮮語の運用の基礎となる最小限の事項を選びだし、学習文法の記述によって得られた知見と学習指導要領を参考にして、朝鮮語教育のプログラムを作成した。これは朝鮮半島と交流が文語に意思疎通より話し言葉による需要が多いことに留意して、口語の知識を優先した学習プログラムとなっている。 3.教材の開発の一つは例文集の開発である。従来の教材が品位を重視する余り、規範的かつ道徳的となり東アジアの土俗を切り捨てたものが普通であるが、ここでは日本、韓国、北朝鮮、中国(延辺)で日常つかわれる通俗かつ卑近な事物から例文を集め、互いの文化と社会の異質な点が浮き上がるよう試みた。 4.教材の開発ではさらに実際に教室で使える教材の開発を行った。この教材では格式張ることない友人同士の簡単な会話を取り上げ、文法の分析を詳しく述べ、練習問題を豊富につけた。従来の教材は品位を保った公式の対話がほとんどであるが、これでは互いの交流が深まるのに支障があると考え、おもいきった素でものをいう文体を取り上げた。 今回の研究は素顔での交流に使う言語を教育する方向を打ち出し、その基礎的な記述をおこなっている。
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