研究概要 |
1.全体的な作業 (1)平成9年〜12年度にかけて採択された「古代・中世熱田社の編年史料年表(稿本)の作成」を基本史料とし、神代から西暦1615年までの全史料を、学生の協力によってパソコン入力電子化したうえで校正を行った。 (2)熱田神宮の協力のもと、未蒐集の史料採訪を行い逐次入力した。 (3)編年史料全編を印刷、本研究を完成させた。 2.研究発表 (1)裏面「研究発表」に示したように、成果の一部を『日本学研究』(金沢工業大学日本学研究所)に毎年公表した。今後も順次公開していく予定でいる。 3.まとめ はじめの見通しでは2,000件ほどの史料項目数を予想していたものの、その半分の約1.100件のカード作成に終わったことや、1項目1・2点の史料蒐集を前提としたことは反省すべきことで、個人による史料蒐集に限界があることを改めて痛感した。網羅的な史料蒐集は不可能であったが、本研究の一応の完成により、古代・中世熱田社史料の汎用化と研究の深化が図られ、さらに諸国一宮及び他の神社との比較研究に寄与できることを期待している。 昭和62年から熱田社の研究を始め、実に20年間におよぶ時間を費やしたが、その結果これまで厳密な史料批判が行われないままに利用された系図類また文書発給者の誤りを正し、熱田社の歴史や社領の構造究明にいささかなりとも貢献できたと考える。 なお全編1,700頁におよぶため、印刷部数は最小限にとどめ、史料提供機関各位には史料綱文を新たに別冊で作成し、電子データを付して提供する予定である。
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