研究課題/領域番号 |
15520424
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
丸山 宏 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (00229626)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 福建 / 台湾 / 廟 / 宗教職能者 / 宗教交流 / 移民 / 宗族 / 道教儀礼 / 民間信仰 / 道教 / 宮廟 / 移民史 / 儀礼 / 宗教文化 / ネットワーク / 碑文 / 道士 / 儀礼文書 |
研究概要 |
本研究は中国の東南沿海地域に属する福建と台湾を対象地域として選び、この地域の宗教文化のつながりの基盤的な重要性を解明する目的で課題設定したものである。特に以下の3項目を意識しつつ、文献と現地の調査を行った。第一に廟と宗教職能者の資料を関連させる形で、近年公刊されたものも含め、福建・台湾の廟の碑文と宗教職能者の儀礼資料を収集解読すること。第二に具体的に台湾や東南アジアとネットワークを形成し、交流を展開している福建省の廟を選び、事例研究として詳細に調査すること。第三に移民・移住に淵源する宗教文化のネットワークの形成維持の問題を、福建・台湾の地域のマクロな歴史環境や条件の変化の中に置き、幅広い文脈から複眼的に解釈するモデル的な研究を試みること。 以上の課題を遂行し、研究成果としては冊子体の報告書に示したように、福建の海澄県に属していた県城隍廟および新江邱氏正順宮の二つの廟の事例研究を行った。いずれの事例研究も、主に廟で直接に得た碑文資料、清代の地方志、現地の研究者による最新の調査成果等を踏まえて、明末から清を経て現代までの廟の歴史的変遷を復元した。双方ともに清初の戦乱で損害を受けたが、徐々に活動力を向上させて、清末から民国初に栄え、さらに新中国の破壊弾圧を経て、1990年代以降に復活再興するまでをたどった。城隍廟は公的にも官僚や胥吏生員から、また港湾の商人から支持され、道教儀礼にもその神が独自の位置を占めたことが明らかとなった。一方で、邱氏宗族によって運営された正順宮は、同族の移住先のマレーシアのペナンや台湾の高雄崎漏との間にあるネットワークに依拠しながら修理や復興事業を行い、さらに海澄県内の他の廟とのネットワーク内でも徐々に枢要地位を占め大きな貢献をしていったことを実証した。 なお平成18年3月に研究成果完成を完成すべきであったが、資料の検討のため、このたび平成19年3月において報告書を提出することとなった。
|