研究課題/領域番号 |
15520445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北村 昌史 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (20242993)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 住宅問題 / ベルリン / 市民 / 都市計画 / 郊外住宅 / 協会 / ドイツ / 社会史 / 都市化 / 市民層 / 比較史 / 都市問題 / 郊外 / 国家 / 19世紀 / 住宅 |
研究概要 |
本研究課題では、ドイツ統一(1871年)前後の住宅改革について、当時の住宅改革者の著作や論文の検討およびその頃からとられはじめた住宅関連の統計の整理を進める一方、平成15年10月にベルリン工科大学でおこなわれた19世紀の郊外住宅地に関する国際比較の学会に参加、またその時と平成17年11月の2回ベルリンの図書館や文書館での文献調査や現地調査を行い、国際交流のもと研究を進めた。当該時期の住宅改革の歴史的位置付けを行なうために、住宅改革の19世紀を通じた流れに見通しをつける作業や世紀中葉の住宅改革に関して積み残した課題(都市市民の具体的把握・市民社会と労働者世界の関係・改革組織の総会の議事録の検討)を解明する作業も進め、それらについては既に公表済みか草稿がほぼ出来上がっている状態である。住宅問題にとどまらないベルリン社会史の情報を充実させるためにベルリンの歴史的遺跡についてのガイドブックであるA・シュタインガルト著『ベルリン記憶の<場所>を辿る旅』(昭和堂、2006年刊行)の共同訳に参加した。本研究課題のもと、その重要性に関わらず従来総体的に研究の手が加えられなかった統一前後の住宅改革について次の点を明らかにした。まず、世紀中葉に説得的であった市民と労働者が一緒に住み、前者の良い影響を後者に与えるという発想の説得力が揺らいだ。他方、住宅改革の解決を郊外に求める発想や、都市社会を総体として把握する観点がこの頃からでてくる。これに対応した形で、住宅建築に当局の関与を求める発想がうかがえる。最後に、世紀中葉の改革者が市民と労働者の二分法で社会階層を考えていたのに対して、統一期の論者は多様性の中で捉えている。この成果をもって10年来進めていた19世紀中葉の住宅改革運動に一区切りつける見通しをえ、著作としてまとめる作業を進めた。
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