研究課題/領域番号 |
15520450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
槇原 茂 (槙原 茂) 島根大学, 教育学部, 教授 (00209412)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 農村社会 / 社会的結合関係 / 読み書き能力 / 手紙 / アソシエーション / エミール・ギヨマン / 共同性 / 文化変容 / 農民作家 / 組合 / フランス |
研究概要 |
本研究は、研究代表者が追究してきたフランス農村社会におけるソシアビリテ(社会的結合関係)の変容の解明において、新たな取り組みを画するものとなった。これまで、19世紀フランス農村にみられたアソシアシオン(団体、結社)の展開を跡づけることに主眼を置いてきたが、本研究ではソシアビリテの変化をより微視的に、日常生活世界の変化と関連づけながら把握するために、19世紀末から20世紀初頭にかけてのフランス中部ブルボネ地方の農村社会と同地方で活躍した農民作家エミール・ギヨマンを取りあげた。そして、地域社会の変化のなかで、個人が新たなソシアビリテを選びとる契機を明らかにし、多様なアソシアシオンの叢生との関係を考察することを試みた。具体的には、小作農の組合運動の生成と展開に関して考察し、個人の内面的変化とソシアビリテの変容との関連については、書く行為の習得と手紙、文通の習慣、さらに新たな共同性が生まれるプロセスを解明した。そしてこのような転換を、より長期的なパースペクティヴにおいて捉え直すために、アンシャン・レジーム期の代表的なアソシアシオンであるコンフレリー(信心会、兄弟団)、大革命以後の農村社会のソシアビリテの変化とアソシアシオン形成について概観し、寄附の社会史を通じても長期的な結合関係の変化が読み取れることを確認した。 本研究の最終段階において、エミール・ギヨマンと、その日本における紹介者・翻訳者である犬田卯の生涯の共通性に関心を惹かれ、20世紀前半の日仏農村の比較社会史研究を構想している。彼らの生涯と活動を通して、両国における初等教育の定着と読み書き能力の習得、地主-小作関係と小作農の運動、農民自治の志向を比較考察する。その成果の一端は、2007年6月の中国四国歴史学地理学協会大会において発表する予定である。
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