研究課題/領域番号 |
15520478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
定森 秀夫 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90142637)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 陶質土器 / 渡来人 / 加耶 / 新羅 / 百済 / 馬韓 / 韓式系土器 |
研究概要 |
本研究では、日本列島から出土する陶質土器および韓式系土器などの渡来系遺物・遺構を全国的に集成し、各都道府県単位でまとめていった。 九州地域では、陶質土器は朝鮮半島に最も近い対馬島および福岡県を中心とした地域での出土例が圧倒的に多く、時期的には4世紀から7世紀にかけて万遍なく出土していることを確認した。かつ、福岡県では他府県では出土例の無い高句麗系土器があり、加耶・新羅・百済・馬韓系の土器も数多く出土している。それとともに、韓式系土器・ソロバン玉形紡錘車・オンドル状遺構・大壁建物など渡来系の文物も多く確認されている。今後は、新出資料も含めて集成された基礎資料を基に、時期別・系統別に陶質土器を含めた渡来系文物の詳細な分析・検討を行い、九州地域における渡来人の実相を追究したい。 西日本地域でも、陶質土器を始めとした渡来系文物の資料が増加しつつある。特に、大阪府を中心とした近畿地方に多くの資料が見られることを確認した。初期須恵器との関連性でいえば、陶邑での須恵器生産開始の問題を解明する上でも大阪府出土の陶質土器の分析・検討は欠かせない。九州地域同様に、基礎資料を基に時期別・系統別の分析・検討から、ヤマト政権中枢の中での渡来人の位置づけを追究していきたい。 東日本地域では、西日本地域・九州地域ほど資料が増加しているわけではないが、明らかにヤマト政権中枢を経由した搬入品ではとらえられない資料が存在する。そのような資料から、ヤマト政権中枢を経由しない、東国と朝鮮半島との独自交渉ルートも想定できるのではないかと思われる。 古墳時代の日本を考える場合、渡来人が果した役割は大きい。陶質土器という個別具体的な資料の分析・検討を通して、古墳時代の実相をさらに追及していきたい。
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