研究課題/領域番号 |
15520519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐野 眞理子 広島大学, 総合科学部, 教授 (80206002)
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研究分担者 |
佐野 敏行 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (20196299)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高齢者 / 文化人類学 / 生きがい形成 / アメリカ / 社会変化 / エイジング / 老年人類学 / エスニシティ / 民俗誌 / 老人人類学 / 国際情報交換 / 社会福祉 / 民族誌 |
研究概要 |
本研究は、1980年代と1990年代のヨーロッパ系アメリカ人高齢者世代の生きがい形成過程の変化を、筆者がこれまで研究してきた、ウィスコンシン州の小都市(研究上の仮称、リヴァーフロント市)とその周辺の農村地域を対象に、1990年代に起こった変動し続ける文化的・社会的変化の文脈の中で、明らかにすることを目的とした。インタビューや参与観察を行い、以下の結果を得た。 (1)1990年代に、アメリカの他の多くの中規模都市同様、大規模商業地帯が建設され、消費経済が拡大し、「家族農場」は、廃業するか、他の農場を買い占めて、大規模化・企業化するかの二者択一を迫られていた。1980年代後半から1990年代に、ラオス、カンボジアからのモンの人々を難民として受け入れ、多民族コミュニティに変化した。このような流れの中で、1980年代に見られたローカル色が薄れていき、他の都市と見分けがつきにくくなってきている。 (2)高齢者福祉は、1970年代後半から現在に至るまで、主に3つの段階を経てきた。 *第1段階(1970年代後半から1980年代前半まで):高齢者センターを中心とした、高齢者の社会的ニーズを満たす活動。 *第2段階(1980年後半から1990年代前半まで):在宅における長期介護を支援するサービスに重点をシフト。 *第3段階(1990年代後半〜現在)州の方針に対応するためのサービスの再編成。高齢者のみならず、障害者のためのリソースセンターとして、情報提供や、受給資格のアセスメントを担う。 (3)高齢者の生きがいの源泉は、「人の役に立ちたい」、「人と関わる機会を持ちたい」、「教養を深め続けたい」という願いで、1980年代も現在も変化していない。しかし、そのための活動の場は高齢者センターに限られるわけではない。一見、高齢者のセンター離れが見受けられるが、高齢者サービスがメインストリーム化し、高齢者にとっては、選択肢が広がったといえる。
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