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日本歴史における水田環境の存在意義に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520531
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文化人類学・民俗学
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

安室 知  国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (60220159)

研究期間 (年度) 2003 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード民俗学 / 生業 / 複合生業論 / 民俗技術 / 水田環境 / 鳥猟 / ガン・カモ科鳥類 / 水田狩猟 / 水鳥猟 / 民俗知識 / 伝統猟法 / 狩猟 / 稲作
研究概要

日本歴史における水田環境の存在意義を明らかにすべく、おもにガン・カモ科鳥類を対象とした狩猟活動に注目して、日本列島の水田稲作地帯において、エクステンシィブおよびインテンシブな民俗調査をおこなった。調査では、水田生態系が大きく変貌する以前の1920年代に時間軸を設定して、まず当時の水田稲作のあり方を復元するとともに、そこに伝承される狩猟技術の全般を記録した。
その結果、稲作民にとって水田環境はイネを作るためだけのものではなく、狩猟の場として機能すること、とくにガン・カモ科鳥類を中心とした冬の渡り鳥猟にとっては重要な意味を持っていることがわかった。また、ガン・カモ科鳥類にとっても、冬の水田地帯は渡りの中継地・越冬地として重要であり、水田であるからこそより多くの鳥が誘引されると考えられる。当然、そこに暮らす稲作民にとっても銃を用いない伝統的な狩猟法(手網や置き針など)によってガン・カモ科鳥類を比較的たやすく捕らえることができ、それが冬期の重要な食物(ハレとケの両面において)になっていたことがわかった。こうしたことにより、日本列島における水田環境の潜在力を示すものとして、水田漁撈にならび水田狩猟を提起するに到った。
さらに、手網などを用いたガン・カモ科鳥類の伝統狩猟法をめぐっては、一見すると技術的には素朴ではあるけれども、それに反比例するように、地域の自然(気象・地形・動植物の生態など)に関する膨大な民俗知識がその成立には不可欠であることが理解された。そのため、そうした狩猟法が今なお伝承される地域では、地域の自然環境が猟場を維持することと合致し、結果として自然が保全されていると考えられることもわかった。ワイズ・ユースなど現代の環境思想とも関わることであり注目される。

報告書

(5件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2006 2005 2003

すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「遊び仕事」と「まごつき仕事」2006

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      現代農業 06年8月増刊号

      ページ: 140-147

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 地域おこしと水田漁撈2006

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      民俗学論叢 21号

      ページ: 1-26

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] "As good as play" and work2006

    • 著者名/発表者名
      YASUMURO SATORU
    • 雑誌名

      Modern agriculture

      ページ: 140-147

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Local promotion and paddy field fishery2006

    • 著者名/発表者名
      YASUMURO SATORU
    • 雑誌名

      Folklore selection of treatises 26

      ページ: 1-26

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 「『遊び仕事』と『まごつき仕事』-『小さな生業』にみる自然と人の調和-」2006

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      現代農業 8月増刊号

      ページ: 140-147

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 水界としての水田2006

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      人と水 6号

      ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 水田漁撈の現在2005

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      研究彙報 11号

      ページ: 44-47

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 複合生業論のこれから2003

    • 著者名/発表者名
      安室 知
    • 雑誌名

      長野県民俗の会会報 26号

      ページ: 2-29

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] From this of compound subsistence theory2003

    • 著者名/発表者名
      YASUMURO SATORU
    • 雑誌名

      Journal of A meeting bulletin of Nagano 26

      ページ: 2-29

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [図書] 環境史研究の課題2003

    • 著者名/発表者名
      安室 知 編・著
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      吉川弘文館
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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