研究課題/領域番号 |
15530002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
嶋津 格 千葉大学, 大学院・専門法務研究科, 教授 (60170932)
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研究分担者 |
藤井 俊夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (50110276)
戸田 善治 (戸田 義治) 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50207586)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 裁判員制度 / 正しさを語る教育 / 正義感覚 / 国を裁く / 法学教育 / 法学的マインド / 国民教育 / 法の概念 / 法=権利 / 平等 / 実技教育 / ノウ・ハウ |
研究概要 |
千葉大学の付属中学校、同小学校、および千葉県立千葉南高等学校の協力を得て、法学の基礎的体験を初等・中等学校でさせることを目的として、実験的な研究を行った。それまで2年間行ってきた研究の継続の側面もある。題材として「カイワレ裁判」(大腸菌O-157によって堺市の多数の小学校で集団食中毒が発生し、原因としてカイワレ大根が疑われ、国によるその発表によって全国のカイワレ農家が風評被害を受けた、という国家賠償請求事件)を採用することにした。 平成15年度は、主に教材の作成を行った。判決の収集と概要の作成、事件を担当した弁護士(録画)、国の代理人であった法務省の担当者(録音)へのインタヴューと、米国の陪審裁判の調査、などを行った。16年度は、実際の授業を行うことが中心であった。高等学校と中学校で各1回、小学校では、以前作成した別の題材を使って2回の授業を行った後、同じクラスでカイワレ裁判による授業を行った(子供たちの飲み込みの早さに驚かされた)。授業では、当初の予定を変更して、事前に作成した台本を二人の大学院生が原告と被告の主張を述べる方式を採用することとした(使用した台本は報告書に収めているので、他でも利用可能)。教育学で使われる方式に則って、「授業案」を作成して実行するとともに、授業全体を録画した。授業の方法は、2時間続きの授業のうち、前半を事件の概要の説明にあて、後半を6人一組にクラスを分けて、それぞれで判決に対応する判断を出させる、というものである。 結果はかなり満足のゆくものであった。クラスでは、高校・中学校・小学校のどこでも、活発すぎるほどの討論があり、生徒たちはかなり充実した体験をしたと思う(ワークシートの結果や感想などを参照)。長期的には、法的思考と裁判制度が日本社会で占める位置の変化への対応などの大きな課題を視野におくが、法学授業の初中等教育への導入実験という当面の成果は得られたと思う。
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