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現代民主主義社会における環境倫理の発展可能性--21世紀における環境危機と進歩

研究課題

研究課題/領域番号 15530007
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 基礎法学
研究機関神戸大学

研究代表者

桜井 徹  神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (30222003)

研究期間 (年度) 2003 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード環境 / 進化 / 進歩 / 市場経済 / 遺伝子介入 / ダーウィン / ダーウイニズム / 競争 / ダーウィニズム / 民主主義 / 自由主義 / 市場
研究概要

昨年度は,現代の民主主義理論と環境倫理との緊張関係を解明するうえでカギとなる「進歩」概念を追究することに目標をおき,進化論およびダーウィニズムにかかわる議論を再検討した。ダーウィニズムの自然観・生命観は,「健康や有益な特徴を導く遺伝子をもっていれば,人々の人生はもっとよくなるはずだ」と考える現代の優生思想の基礎にもなっている。
昨年度後半から,このような優生思想の現代的展開をも念頭におきつつ,バイオ・テクノロジーや市場原理主義が引き起こす現代の規範的諸問題に対するダーウィニズムの規範的含意についてモノグラフを執筆してきた。本年度は,このモノグラフを『リベラル優生主義と正義』として完成させ,2007年1月にナカニシヤ出版から公刊することができた。
同書に言うリベラル優生主義とは,個々人の持つ「生殖の自由」をラディカルに拡大して,親は遺伝子テクノロジー--とりわけ生殖細胞系列遺伝子工学--の力を借りてわが子のためにその遺伝的特徴をも選択することさえ許容されると主張する立場を指している。リベラル優生主義が定義上,生物学的な人間本性の操作・改変を射程に入れている以上,リベラル優生主義の是非を問うことは,人間本性とはそもそも何か,そしてそれは神聖不可侵のものなのかという問いを必然的に呼び起こすだけでなく,「自然に対するあくなき制御」という近代的な「進歩」理念を根本から考え直すきっかけになりうる。
近代優生主義の伝統は,人間は自然選択に代わって自らの「進化」をコントロールできると主張してきた。リベラル優生主義も同様に,将来の人間社会は生殖細胞系列遺伝子工学の利用によって人類の「自己進化」を遂げることが可能だと言い放つのであれば,人類はまた,その自己進化の「道筋」や「程度」に関してもコントロールすることが当然に可能なはずである。人類の野放図な自己改造は,決して人類の「運命」でも「必然」でもない。

報告書

(5件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] Liberal Eugenics and Justice2007

    • 著者名/発表者名
      Tetsu Sakurai
    • 雑誌名

      Nakanishiya Publishing

      ページ: 260-260

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] ダーウィニズム2005

    • 著者名/発表者名
      桜井 徹
    • 雑誌名

      イギリス哲学の基本問題(寺中平治・大久保正健編) (未定)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 科学技術の発展に法はどう向き合うべきか2004

    • 著者名/発表者名
      桜井 徹
    • 雑誌名

      ブリッジブック法哲学(長谷川晃・角田猛之編)

      ページ: 188-215

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] リベラル優生主義と正義2007

    • 著者名/発表者名
      桜井 徹
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書 2006 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 桜井 徹: "科学技術の発展に法はどう向かい合うべきか--クローン技術と遺伝子工学の未来"ブリッジ・ブック法哲学(長谷川晃・角田猛之編). (未定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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