研究課題/領域番号 |
15530029
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
前田 雅子 関西学院大学, 法学部, 教授 (90248196)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 外部化 / 民営化 / 委託 / 指定 / 地方自治体 / 行政法 / 福祉行政 / 指定管理者 / 給付行政 / 行政手続 / 給付 / 公的扶助 / ドイツ / 実施責任 / 自治体 / 行政統制 / 地方自治 / サービス提供 |
研究概要 |
「自治体の財・サービス提供事務・事業の「外部化」後における行政統制のあり方」をテーマとした本研究では、当該事務・事業のいわば典型である、公の施設の利用サービスと、福祉サービスに関する事務・事業の「外部化」の仕組みと、「外部化」後における地方公共団体が果たすべき法的責任の内容について考察を行ってきた。 公の施設の利用サービスについては、指定管理者制度に移行した後は、サービスを提供する「履行責任」については、指定管理者に対して規制監督権限を行使することをつうじて、これを果たさせるものであることが前提とされているが、管理業務の委託契約から指定という行政処分への法形式の変化にかかわらず、管理業務の委託関係が前提とされざるを得ず、その意味で、法改正前の管理委託制度との連続性が認められる。つまり、管理業務の委託者としての法的地位に立つ地方公共団体の「履行責任」を依然として否定できず、個々の住民は、訴訟をつうじて公の施設によるサービスを求めて給付義務の履行を追求する途がなお残されていることが明らかとなった。 福祉サービスの提供に関しては、地方公共団体は、個々の住民が民間事業者と福祉サービス利用契約の締結過程を含む利用関係に即して、助言・誘導・指導等のソフトな手法を用いることで、サービス提供・利用の公平を図るという「保証責任」を果たす。個々の住民は、地方公共団体に対して自己に福祉サービスを提供するよう求めることは理論上困難であるものの、職権に基づく福祉の措置が、介護保険や支援費を補完する「受け皿」となり、地方公共団体は福祉サービスを給付する義務を負い、当該住民は福祉サービスを受給する権利を有するという余地があることが明らかとなった。これは、憲法25条に基づく「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のサービス給付面での具体化としても観念されるところに、理論的な意義が見出される。
|