研究課題/領域番号 |
15530065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松川 実 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (60319027)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 著作権法 / 損害賠償 / 二倍賠償 / 懲罰的損害賠償 / 著作権 / 侵害 / 倍額 / ドイツ / 2倍 / 不法行為 |
研究概要 |
わが国では、著作権の侵害があった場合に、侵害者に損害額の二倍あるいは三倍を賠償させるべきであるという主張はすでに何度か提起されているだけでなく、最近も文化審議会著作権部会で審議されたが、現行民法上の不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則あるいは理念に相容れないという根拠により、導入が否定された。この理論的根拠にはいわゆる「民事責任刑事責任峻別論」がある。しかし、日本の損害賠償法あるいは著作権法がその見本としたドイツ法ではここ10年の間に、判例が変更され、民事責任刑事責任峻別論が放棄された。 わが国でも、このドイツの理論の影響下、昭和四〇年代初頭までは、民事責任刑事責任峻別論はある意味で自明の理論とされてきたが、その後の公害訴訟を通じて、学説および若干の裁判例では、損害賠償制度の制裁的機能を「事実上」承認する見解が増えてきた。しかし、立法の面では、今でもそれを承認することには極めて抵抗が強い。この民事責任刑事責任峻別論の強力な支持者は、内閣法制局であると言われている。著作権法に限らず、現在、わが国で成立する法律の約95%は、閣法として国会に提出されるために、内閣法制局の硬直した見解、つまり民事責任刑事責任峻別論という牙城を崩すことは不可能なようである。文化審議会著作権部会において、著作権法に二倍賠償あるいは三倍賠償導入を導入すべきか否かの審議でも、明確に表示されてはいないようであるが、「たとえ、当部会が二倍賠償あるいは三倍賠償の導入を諮問したとしても、内閣法制局がそれを認めない」という前提がある。 そこで、本研究では、著作権法あるいはその他の法律、例えば、特許法等の産業財産法、独占禁止法、PL法、消費者法、公害法あるいはそれらの民事的な一般法である民法に、二倍賠償制度あるいは三倍賠償制度を導入する可能性を考察した。
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