研究課題/領域番号 |
15530079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
新領域法学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
生野 正剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80128149)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 拡大生産者責任 / 循環型社会形成 / 廃棄物管理における生産者の責任 / 廃棄物の最小限化 / 拡大生産者責任の責任論的位置付け / 韓国における生産者責任制度 / 韓国における使い捨て用品規制制度 / 容器包装リサイクル法 / 廃棄物の発生抑制・排出抑制 / 廃棄物処理における生産者の責任 / 家電リサイクル法 / 韓国の生産者責任制度 / 韓国におけるゴミ従量制 |
研究概要 |
本研究では、循環型社会形成における事業者の役割・責任を考察するために、拡大生産者責任(EPR)の目的・意義・核心、基本内容などを検討し、その上でEPRの法的責任論の中での位置付けを試みた。 1 EPRについての検討 拡大生産者責任は、廃棄物を最小化を図るためには、現在の製品の生産のありかたそのものを変える必要があるとの認識の下に、製品製造の段階から環境負荷の少ない製品を設計・製造するようにインセンティブを生産者に与えることを目標とし、そのための手法として、生産者に廃棄物管理費用全てを第一次的に支払わせた上で、それを製品価格に上乗せさせるものである。EPRの内容としては、廃棄物管理を実施するという物理的責任とその費用を負担する経済的責任があるが、EPRの目標とその達成のための手法からみて、EPRの核心は、生産者に費用全てを第一次的に支払わせることにある。したがって、物理的責任は地方自治体などと分担できるが、経済的責任は生産者の責任として不可欠で、分担できないものである。 2 EPRの法的責任論での位置づけ 事業者のEPRは加害者の道義的非難可能性に基礎を置く責任ではなく、次のような社会的妥当性によって求められる事業者の社会的責任である。 生産者にEPRを課す根拠は以下のところにある。(1)生産者は、将来廃棄物として環境負荷を与えるものを製造販売しており、間接的な汚染者である。(2)生産者が最も環境適合的な製品を設計・製造し、その製品廃棄物を処理する能力・情報を有している。(3)生産者に廃棄物処理やその費用の第一次的支払い責任を負担させれば、その費用の製品価格の転嫁を最小限に抑えるために、環境負荷が少ない製品を設計製造せざるを得ない。これと(2)が相俟って、社会全体において最も効率的に環境負荷を減少させることができる。(4)生産者は廃棄物処理費用を製品の価格に転嫁し得る。(5)生産者は廃棄物となる製品の販売で利益を得ている。
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