研究課題
基盤研究(C)
平成15-18年度に行われた本研究の中心的課題は、1920-30年代のドイツに滞在した「洋行インテリ」、とりわけそのなかの左派グループ「在独日本人反帝グループ」によって構成された「情報共同体」の特質を、彼らの戦前・戦中・戦後の軌跡をデータベース化し、整理することで、まとめあげることであった。そのデータベースは、ワイマール末期からナチス期にドイツに滞在した有澤広巳・国崎定洞・千田是也・勝本清一郎ら日本人知識人・文化人について、研究代表者が主宰するインターネット上のホームページ「ネチズンカレッジ」内に「1930年代在独日本人反帝グループ参加者・関係者一覧」の特別ページを設け、2006年9月15日現在の最新データを約100人分掲載して、社会的にも公開した。それは同時に本研究の研究成果報告書にも収録したが、研究期間中の成果を総括する過程で見いだしたものは、当初、丸山真男が敗戦直後の日本人「インテリ」の特質として特徴づけた「悔恨共同体」との対比で、「情報共同体」と想定してフィールドワークと事例研究を重ねてきた「洋行インテリ」のつながりが、「共同体」というより「ネットワーク」と特徴づけた方が適切な、地理的広がりと多様性を持っていたことである。戦間期の「情報共同体」は、戦後「悔恨共同体」へと向かわず、縁・閥・派・人脈による「情報ネットワーク」結ばれた、今日のグローバル社会を先取りする現代的性格を有していた。
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Japanese-German Relations, 1895-1945 War, Diplomacy and Public Opinion (Routledge,London) (Christian W. Spang, Rolf-Harald Wippich eds.)
ページ: 119-138
『岩波講座 アジア・太平洋戦争』『20世紀の中のアジア・太平洋戦争』(岩波書店) 第8巻
ページ: 31-58
「帝国」日本の学知』『メディアのなかの「帝国」(岩波講座)(岩波書店) 第4巻
ページ: 105-143
情況 7巻3号
ページ: 70-86
労働運動研究 復刊14号
ページ: 71-87
社会理論研究 7号
ページ: 10-29
Japanese-German Relations, 1895-1945 War, Diplomacy and Public Opinion(Christian W.Spang Rolf-Harald Wippich eds.)(Routledge)(London)
Christian W. Spang, Rolf-Harald Wippich eds., "Japanese-German Relations, 1895-1945 War, Diplomacy and Public Opinion", Routledge, London,
『岩波講座 アジア・太平洋戦争』第8巻『20世紀の中のアジア・太平洋戦争』(岩波書店)
岩波講座『「帝国」日本の学知』第4巻『メディアのなかの「帝国」』(岩波書店)
法と民主主義 405号
ページ: 12-15
日露歴史研究センター講演録『現代の情報戦とゾルゲ事件』
ページ: 15-33
第7回日韓歴史共同研究シンポジウム報告
ページ: 67-80
葦牙 31号
ページ: 19-42
聖学院大学総合研究所紀要 33号
ページ: 80-144
『山本正美治安維持法裁判陳述集』解説(新泉社)
ページ: 483-491
文藝春秋 6月号
ページ: 342-349
インテリジェンス 4号
ページ: 72-85
40007298672
世界 7月号
ページ: 85-94
世界 12月号
ページ: 133-143
従軍のポリティクス (青弓社)
ページ: 9-36
INDIA AND EAST ASIA : LEARNING FROM EACH OTHER, Delhi (Sushila Narsimhan & G.Balatchandirane eds.)
ページ: 229-262