研究課題
基盤研究(C)
徳富蘇峰(1863〜1957)は明治、大正、昭和戦前・戦中期の国内世論形成に大きな役割を果たしたジャーナリストとして知られている。その言動を検証することによって、近代日本人の典型的な対米認識、心理を抽出できるのではないかと考えられる。日露戦争から太平洋戦争まで(1904〜1945年)の蘇峰の対米観については、拙著『近代日本人のアメリカ観-日露戦争以後を中心に』(慶應義塾大学出版会、1999年)に収めた6点の論文において検討したが、それ以外の期間が手付かずの状態として残されていた。本研究はこれらの時期を考察し、1863年から1957年までの蘇峰の生涯に示された対米態度の全貌を明らかにすることを目的としている。平成15〜16年度は上記の手付かずの期間について資料収集を進め、3点の論文を公にした。それらは明治中期における蘇峰の大日本膨脹論とラルフ・W・エマソンの思想の関係、明治中期の蘇峰のアメリカ旅行、明治中期から昭和戦後に至るまでの蘇峰と四人のアメリカ人の交流について検証している。また、その他の時期についても資料の収集に努め、アメリカでも新しい資料をいくつか発掘することができた。そうした資料をもとに現在、論文を構想ないし執筆中である。さらに、昭和戦前から戦中にかけて、蘇峰はアメリカの情報戦、心理戦に強い関心を示しており、そうした視角から蘇峰の対米認識の新たな局面を再認識することができた。これらについては、今年度(平成17年度)より新たな論文を完成させ、研究成果を公にしていきたい。
すべて 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (10件)
同志社アメリカ研究 41号
ページ: 21-53
110004455856
Doshisha Amerika Kenkyu (Doshisha American Studies) No.41
法学研究 77巻6号
ページ: 35-85
尚美学園大学総合政策論集 創刊号
ページ: 49-76
110006662916
Hogaku Kenkyu (Journal of Law, Politics and Sociology) Vol.77, No.6
Shobigakuendaigaku Sogoseisaku Ronshu (Shobi Journal of Policy Studies) No.1
同志社アメリカ研究 (特集号(図書になる可能性有)に発表予定)
尚美学園大学総合政策研究紀要 (発表予定)