研究課題/領域番号 |
15530110
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
|
研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
鈴木 規夫 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (70271468)
|
研究分担者 |
高 明潔 愛知大学, 現代中国学部, 助教授 (60260113)
樋口 善治 (樋口 義治) 愛知大学, 文学部, 教授 (00131128)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | イスラーム / 中国 / 回民 / ナショナリズム / 寧夏回族自治区 / 宗教の近代性 / 少数民族宗教政策 / タウヒード / 日本におけるイスラーム研究 / トラウマとしての1945と1967 / アイデンティティ / 回民 回族 / アジアの理想 |
研究概要 |
アジアにおける現代イスラームの位置と役割を再認し、「イスラームにおける中国」という視角から中国ナショナリズムの性格を位置づけるという試みは、同時期に愛知大学で実施されていた現代中国学を構藻しようというCOEプロジェクトとも相互連動しながら一定の成果をあげた。 とはいえ、国際共同研究の難しさについてもここであらためて指摘されなければならない。国際共同研究において、問題それ自体の共有はいうまでもなく、理論的基礎や現実認識を構成している情報量の偏差などについて、僅か二年間でパートナーとの共有知を拡げていくことは至難の業である。 とりわけ本研究の場合、今後の課題として残された最大の困難は、おそらく<宗教>をめぐる概念の共有にあるといえる。イスラームは、いわゆる<宗教>とは異なる存在形態であり、その「理解の枠組み」や政治社会的位置づけにおいて、「宗教」は相変わらず認識上の強固な壁面として機能してしまう。つまり、宗教の定義についての議論に、従来各自が持ち合わせ刷り込まれた認識を超克していくことが、なかなかできないという問題がそこにはある。 おそらく<社会科学上の呪縛>と呼んでもよい、この宗教の定義をめぐる諸問題は、今後さらに大きな転換を迫るような議論が展開されていく必要がある.たとえばヨーロッパにおけるムスリムをめぐる諸問題、とりわけフランスにおけるその根幹も、もともとクリスティアニティとライシテとの問題が、移民問題等も内包されつつ、ライシテの主たる対象がイスラームにすりかわっていっているという経緯が存在する。 本研究は、より高次の段階において「理想を共有する」ことを目標としていることからも、これまでの研究成果を活かしつつ、その研究成果の共有を通じ、今後はより広い社会的、政策的ニーズを意識しながら、さらに規模を拡大した恒常的な研究活動を展開していく必要がある。
|