研究課題/領域番号 |
15530122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 保 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00237413)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 設備投資 / 不確実性 / ナイト流の不確実性 / 危険回避 / 不確実性回避 / 限界調整費用 / 非期待効用モデル / GARCHモデル / 非期待効用最大化モデル |
研究概要 |
本研究によってなされた不確実性下の投資関数についての理論面での貢献は以下の通りである。 1.不確実性回避が不確実性下の設備投資において果たす役割を考察するために、ナイト流の不確実性を考慮した確率的投資モデルを構築し分析した結果、ナイト流の不確実性の増大は設備投資を必ず減少させること、従来の意味での不確実性の増大(平均保存的分散の拡大)が投資に与える影響は、ナイト流の不確実性の大きさに決定的に依存することを明らかにした。 2.Saltari and Ticchi(2005)の私の論文(Nakamura,1999)に対するコメントへの回答を通して、不確実性下の投資関数を分析する際には、危険回避と異時点間の代替性を区別する必要があることを指摘した。 3.危険回避と異時点間の代替性が設備投資に与える影響をそれぞれ独立に分析することができる連続時間の非期待効用モデルを構築し分析し、これまでの不確実性下の投資関数がもっていた説明するのが困難な性質のいくつかが経済学的に比較的容易に説明できることを明らかにした。 4.解析的な分析とそれを補完するMathematicaを用いた数値計算によって、資本設備の耐用年数が有限である場合、限界調整費用が小さい場合には投資は不確実性とともに単調に減少するが、大きい場合には逆に投資は不確実性とともに単調に増加し、限界調整費用が中間的な場合には不確実性が増大すると投資は初めのうちは上昇するがやがて減少するようになることを明らかにした。 実証面では、製品の普及度・生産技術の不確実性を考慮して日本の製造業、特に家電産業について分析を行い、しばらくの間高い投資水準が続くことを指摘した。また、需要及び価格の不確実性を考慮した多変量GARCH(M-GARCH)を用いて日本の製造業の投資関数を推定したが、まだ明確な結論は得られておらず、これは今後の課題である。
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