研究課題/領域番号 |
15530130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
松嶋 敦茂 滋賀大学, 経済学部, 教授 (00024935)
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研究分担者 |
梅澤 直樹 滋賀大学, 経済学部, 教授 (50093563)
長尾 伸一 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30207980)
吉川 英治 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (80263036)
平野 嘉孝 富山県立大学, 工学部, 講師 (80305482)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | パラダイム / 再生産 / 公共性 / モラルサイエンス / 不確実性 / 規則 / 慣行 / 環境問題 / 希少性 / 実証科学 / 稀少性 / 経済倫理 |
研究概要 |
競合的パラダイムの共存を成熟科学の常態とみなすという観点から、かつパラダイムの転換は必ずしも単線的進歩とのみは解されえない、したがって過去に葬り去られたかに見える諸経済学説・経済思想のうちにも、時代状況の変化とともにあらためて学ぶべき要素は見出されうるという認識に立って、これまでの主だった経済学説や経済思想が立脚したパラダイムを比較検討しながら、現代にふさわしい経済学が依拠すべきパラダイムはいかなる条件を備えているべきかを探ろうとしたのが本プロジェクトであった。環境問題やグローバリゼーションの著しい深化などとともに、「近代」という時代がひとつの転換点を迎えているのではないかという認識が一定の広がりを見せている現代であるからこそ、こうした試みがとくに意味を持つと解されたのである。 本プロジェクト研究の基盤は、上述のような経済学史研究の方法に立脚して、現代経済学の主流派が依拠するパラダイムのキーワードを「希少性」と同定したうえで、「再生産」をキーワードとする古典的パラダイムをそれに対置し、前者の相対化を図るという松嶋説であるが、2年間の研究を通じ、現代という時代をシンボライズする概念としてとりわけ不確実性や公共性に焦点が当てられることとなり、うえの二つのキーワードを基軸とする分類に、さらにモラルサイエンスとしての経済学を志向するか実証科学に徹しようとするかといった基軸を加えて諸経済学説・経済思想を比較検討してみることが企てられた。 そうした結果、現代的経済学のパラダイムが少なくとも具備すべき条件として、(1)古典的パラダイムのキーワードをなした「社会的再生産」という視点への配慮、(2)自足・自閉的なシステムであるより、倫理学や政治学など隣接科学に開かれた学問であること、(3)経済学体系の父としてのスミスが重視した「同感」への関心という3条件があらためて浮上をみた。
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