研究課題/領域番号 |
15530135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 福山市立女子短期大学 |
研究代表者 |
安川 悦子 福山市立女子短期大学 (90071034)
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研究分担者 |
加納 三千子 福山市立女子短期大学, 教授 (40087929)
西川 龍也 福山市立女子短期大学, 助教授 (90249582)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | エイジング / プロダクティヴ・エイジング / 福祉国家 / リタイアメント・システム / エイジズム / フェミニズム / 高齢者 / 総合的エクササイズ / セクシズム / 労働市場 / 労働権 / 生活時間調査 / ウェルラウンド・エクササイズ / プロダクティブ・エイジング / サクセスフル・エイジング / フェイビアン / ユートピア / 生活構造 / 高齢者の自立 / モリス / ベラミ |
研究概要 |
1 経済学におけるエイジズムの成立とその構造を明らかにした。 (1)「効率」と「利潤」の追求を本旨とする近代資本主義経済において、エイジズム(高齢者差別)は、その経済システムの成立とともに形を整えたものであり、セクシズムやレイシズムと同じ構造をなしていること。 (2)19世紀末、個人の「効率」だけでなく「国民的効率」が問われるようになると、国家が高齢者に「保護」の手をさしのべる、いわゆる社会福祉システムが成立する。こうした福祉国家のシステムが整備されるにつれて、高齢者の労働市場からの排除がすすみ、それとともに、高齢者を社会的に「周辺化」する。 (3)20世紀後半、人口のグレー化への危機意識が高まるとともに、高齢者問題への関心がたかまり、同時に、フェミニズムの高揚に刺激されて、女性だけでなく高齢者にも労働権を取り戻す思想的な運動が成立した。プロダクティヴ・エイジングは、労働権を軸に、高齢者像をネガティヴなものからポジティヴなものへ反転させる手がかりを与える理念として、アメリカを中心に認められ始めた新しいパラダイムである。 2 生活時間調査にもとつく現代日本の高齢者の実像を明らかにし、プロダクティヴ・エイジングの原像を明らかにした。福山市(都会と農村混在型)、島根県広瀬町(農山村型)、名古屋市(都会型)のアンケート調査と面調査を行った。プロダクティヴ・エイジングが現実的に根付いているのは、島根県の広瀬町であることがわかった。 3 プロダクティヴ・エイジングを実現する条件は次のようなものである。 (1)労働した成果にたいする社会的評価システムが存在すること。(2)軽度の日常的な肉体の行使(畑作業、あるいは総合的なエクササイズを含む)、(3)他の人たちとのコミュニケーション(家族を超えた近隣社会における)のシステムが存在すること、などである。 (2)こうした条件を具体的にどうシステム化するか、その多様な道をさぐることが今後の課題である。
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