研究課題/領域番号 |
15530139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済統計学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
田中 勝人 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40126595)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ウェーブレット / 長期記憶時系列 / ARFIMAモデル / 極限分布 / 検定統計量 / ランダム・ウォーク / フラクショナル・ブラウン運動 / 非定常時系列 / ウェーブレット変換 / ウェーブレット分散 / ウェーブレット回帰 / フラクショナル過程 / 長期記憶性 / 最尤推定 / ブラウン運動 / 帯域性 |
研究概要 |
1.ウェーブレットによる方法の適用可能性について、さまざまな可能性を検討した。まず、フラクショナルARIMAモデルにおける階差パラメータの推定について、最小2乗法だけでなく、最尤推定についても考察した。さらに、観測誤差が加わったモデル(signal plus noise model)のパラメータ推定についても、ウェーブレットに基づく方法を提案し、シミュレーション実験により、それぞれの推定量の性質を調べた。また、既存の方法である時間領域および周波数領域における推定方法と比較した。その結果、時系列が定常的な場合は、既存の方法が優位性をもつ。しかし、非定常な場合には、ウェーブレットの方法は、既存の方法よりも精度のよい結果を与えることが見出された。両者の違いは、非定常性の程度が強くなるにつれて、さらに顕著となる。 2.長期記憶時系列に観測誤差が加わったモデルを使って、観測誤差が実際に存在するかどうかの検定を、ウェーブレットの方法で行った。既存の検定方式と同じ原理で求めた方法は、簡便であり、既存の方式を補完するものである。ただし、検出力の観点からは、よりよい検定方式が望まれる。 3.ランダム・ウォーク仮説を検定するための代表的な3つのモデルを取り上げて、それぞれについてウェーブレットの方法による検定方式を考察した。1つは、AR(1)モデル、もう1つはARFIMAモデル、残りの1つは、状態空間モデルである。検定統計量の分布は、極限分布の場合でも導出が困難であり、シミュレーションによる近似分布を与えた。 4.フラクショナル・ブラウン運動の2次汎関数に関する分布の導出を議論した。厳密な方法は未解決であるが、積分ブラウン運動の場合の分布からの類推を与えた。同時に、モーメントに関する単純な結果の予想を与えた。
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