研究課題/領域番号 |
15530181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
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研究分担者 |
澤田 幹 金沢大学, 経済学部, 教授 (10215915)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 人材ビジネス産業 / 労働者派遣事業 / 民営職業紹介事業 / 公的職業紹介事業 / 業務請負 / 派遣労働者 / 間接雇用 / 労働者供給事業 |
研究概要 |
本研究では、近年、日本や欧米先進国で推進されてきた人材ビジネス産業の活性化と就業形態の多様化による雇用創出効果と問題点について、国際比較の視点に立って考察した。 1.まず雇用形態の多様化のなかでも増加の著しい間接雇用の構造を理論的に考察し、日本の労働者派遣法が労働者供給事業の一部を労働者派遣事業として合法化したことの経済的意味を明らかにした。すなわち、労働者派遣事業の制度化は労働力をリースの対象とすることの容認であるとともに、「雇用主責任代行サービスの商品化」の容認にほかならないことを示した。労働者派遣事業では派遣元(人材ビジネス業者)が派遣先の雇用主責任を代行し、派遣先は派遣料金を派遣元に支払うことでその代行サービスを購入、自らの雇用主責任を免れる仕組みが制度化されたのである。また、間接雇用形態の特質について検討を行い、雇用の短期化と労働の断片化がはらむ問題点を指摘した。 2.人材ビジネスを活用する顧客企業(ユーザー)の雇用管理について検討を行った。正規雇用よりも安価な労働力調達が可能であるという理由で派遣労働や業務請負などの間接雇用を利用する企業が多く、どの職務をアウトソーシングし、逆にどの職務を内部に保持するのか、また間接雇用形態の労働者の教育訓練や能力開発は誰が責任を持つのかなど、すぐれて長期的競争優位性に関係する問題へのアプローチが不足していることを示した。 3.日本では規制緩和の一貫として公的職業紹介業務を人材ビジネス産業へ委託する動きが進んでいるが、その先行事例としてオーストラリアの経験を調査し、その内実を検討した。入札制度による民間業者への業務委託は職業紹介業務の安定化のうえで問題を抱えていること、職業紹介業者が労働者派遣事業を兼営することに伴う問題が生じていることなどが明らかになった。さらに、オーストラリアの間接雇用の現状および当該労働者保護の試みについても考察した。
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