研究課題/領域番号 |
15530202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
野村 政修 九州国際大学, 経済学部, 教授 (40309943)
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研究分担者 |
松島 吉洋 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00308579)
楠美 順理 (楠見 順理) 中京大学, 教養部, 助教授 (10319220)
坂井 宏光 (坂井 宏充) 九州国際大学, 法学部, 教授 (40186995)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ウズベキスタン / アラリスク / ペトロカザフスタン / クムコリ / クジルオルダ / 成長資金 / 北アラル海 / 地域経済・環境再生 / シルダリヤ / ベルグ海峡ダム |
研究概要 |
まず、アラル海周辺国の一つであるウズベキスタン共和国の経済状況について現地聞き取り調査を行った。同国の2003年の実質GDPは約84億ドル、一人当たり実質GDPは335ドル、成長率は4.4%と推計されている。消費者物価上昇率は21.9%、短期金利は26.1%とされる。同国の市場経済化は漸進的経済改革として知られるが、持続可能な成長の確保には整合性のある政策対応が必要である。懸案であった複数為替レート問題は解消し、単一の為替レートで1ドル=1000スム前後と安定している。しかし、国内金融市場では自国通貨不足が顕著であり、預金者の現金引き出しが事実上凍結状態にあり、金融機関の信用が低下している。信用の低下は、資本市場の確立を遅らせることになり、国内外からの成長資金の確保が難しくなる。金融財政当局の引き締め政策を転換すべきであろう。同国経済の近年の成長牽引は外資およびODAによるところが大きいが、交通、電力網など社会インフラの整備が課題である。同国の主力産業の経済的存在理由は旧ソ連向け供給を前提に成り立っていたが、先進各国の援助はそれを見直さないため、非整合的で重複した援助となっている。 次に、アラル海周辺地域としてカザフスタン共和国クジルオルダ市およびアラリスク市において地域経済発展の鍵となる地元企業について聞き取り調査を行った。アラリスクに本拠を置く民間農業企業アクバイのウンベトフ・アフメドゥーラ社長によれば、現在は灌漑耕地では米作よりも野菜作を推進しているという。また、クジルオルダ市に本拠を置く石油採掘企業ペトロカザフスタンは隣州にあるクムコリ油田から日量平均15万バレルを採掘している。これら企業は地域経済発展の中核となっている。なお、北アラル海環境劣化の緩和策としては、ベルグ海峡ダムの建設のみでも十分であったと思われる。しかし、地域経済再生の視点から灌漑システム再建プロジェクトは支持される。
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