研究概要 |
本研究はA「アジア経済における実質利子率平価の研究」,B「日本の銀行業における群集行動に関する研究」,C「株価・金利・外国為替の条件付相関に関する多変量GARCH分析」,D「日本・韓国株式指数オプション市場における超短期価格変動に関する研究」の4つのプロジェクトから成り,平成17年度は計画通りに研究を進めることができ,すべてのプロジェクトを完成した. (1)プロジェクトAに関して,OECD経済における実質利子率の変動性ダイナミクスについての分析結果はHolmes and Maghrebi(2005)として学術雑誌から出版された.追跡研究として,多国実質利子率の均衡における非線形の収束メカニズムについての分析結果もHolmes and Maghrebi(forthcoming)に学術雑誌から出版される予定である. (2)プロジェクトCに関して,アジア・パシフィック株式市場における変動性と外国為替の推移について非線形が存在するという仮説検証をした.株価と通貨の下落の影響を与える情報は市場ボラティリティを高めるLeverage Effectsという結果が得られた.多変量GARCHモデル分析に基づいた結果はMaghrebi, Holmes and Pentecost(forthcoming)に学術雑誌から出版される予定である. (3)プロジェクトDに関して,日本金融市場において,始めて本研究プロジェクトに開発した日経225インプライド・ボラティリティ指標を用いて,オプション満期までの観測される株式市場変動性との関係を検討した.多変量GARCH分析モデルによる市場変動性とインプライド・ボラティリティの説明力とOut-of-Sample予想力を比較した.その結果はAsian Finance Association Conference 2005国際学会において発表され、Nishina, Maghrebi and Kim(2006)としてレフェリーつき学術雑誌に投稿した.
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