研究課題
基盤研究(C)
今回の研究は、燃料・エネルギー部門の経営問題を中心にしてロシア極東のポテンシャルを検討するとともに、それが北東アジア地域の発展に与える影響を考察することであった。そこで、統計・文献サーベイを行うとともに現地調査(ロシアの専門家に対する聴き取り調査)に基づいて、以下のような2つの方向で研究を行った。第1に、産業と生活の基盤である電力部門に焦点をあてた。従来の地域独占にかえて競争メカニズムの導入を目指した電力改革がロシアでも進行中である。だがロシアの電力部門では半数以上の設備が老朽化しており、これの更新が焦眉の課題である。そこで電力部門を自由化し、電気事業をビジネスの対象とすることによって国内外から資金を誘引し、それによって設備更新を行い電力危機を回避しようというのが、ロシアの電力改革の主目的の1つである。そこで今回の研究では、ロシア極東の安定化と深くかかわる電力供給の安定化の問題を、現在進行中の電力改革との関連から注視していく必要性を明らかにした。第2に、北東アジアでのエネルギー協力を対象とした。ロシア極東地方は豊富な資源を有しながら、ロシアにおいて相対的に経済発展の遅れた地域となっている。この状況のもとで、燃料・エネルギー部門を軸にして極東地方の安定化と経済発展をはかる方針が示されている。またアジア・太平洋地域への窓口としてロシア極東から当該地域へのエネルギー輸出や、北東アジアでのエネルギー協力の推進にも重要な役割が与えられている。そこで、ロシア極東の安定化という視点から、北東アジアでのエネルギー協力の重要性について明らかにした。
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比較経営学会誌 29号
ページ: 59-70
Journal of the Association for Comparative Studies of Management No.29
比較経営学会誌 29号(発表予定)
Research Report, Center for Far Eastern Studies, Toyama University No.6
ページ: 17-24
110009510818
Research Report, Center for Far Eastern Studies (Toyama University) No.6