配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
研究課題をさらに二つに細分し、二班に分かれて研究を進めた。第一の課題は、再生可能エネルギーの技術開発と公的な支援、あるいは科学技術政策の関連である。第二の課題は企業規模と技術開発の関係である。 第一の課題に関して、技術革新には、革新を進めていくための諸問題を解決していくための能力が必要である。技術革新について、企業や社会が備えている、問題解決のための処理手順を「技術革新能力」と呼ぶ。技術革新能力は、産業の歴史や地域の文化に依存しており、国や地域によって異なっている。2004年3月に図書として刊行した『風力発電機とデンマークモデル-地縁技術から革新への途-』で、この技術革新能力を国際比較し、なぜデンマークの風力発電機産業が成功したのかを分析した。また日本の小型風力発電機メーカーを対象にして、各メーカーにおける技術開発について実態調査を実施した。この調査では33社に聞き取りを通じて、技術形成の背景について調査した。その結果、機械や電気などの既存技術を基礎に参入したものの、翼形状などの風車の基本技術について技術を欠いており、それを大学などの外部研究機関に依存していることがわかった。 第二の課題に関してはシュンペータ仮説の検討を中心に進めていった。シュンペーター仮説はイノベーションと企業規模に関するものと市場構造(ないし市場支配力)とに関するものの二つに定式化されるが,まずこれまでの実証研究をサーベイし,二つの仮説が一般的には支持されないことが明らかにした。また,この二つの仮説を実証的に検討していく上で「産業特性」,特に技術機会と技術の専有可能性が重要な役割を果たしていることが示された。そしてこれまでの研究成果を踏まえて,この分野の最近の展開としてクラスター論,「主要な技術」の発明における中小規模企業の役割の再評価,イノベーターのジレンマ,企業特殊的能力などを論じた。
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