研究課題/領域番号 |
15530285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2004) 神戸商科大学 (2003) |
研究代表者 |
小西 一彦 兵庫県立大学, 経営学部, 教授 (40094528)
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研究分担者 |
中橋 国蔵 (中橋 國蔵) 兵庫県立大学, 経営学部, 教授 (80030716)
黄 リン 神戸大学, 大学院・経営研究科, 教授 (40225363)
上瀬 昭司 兵庫県立大学, 経営学部, 助教授 (40264832)
秋山 秀一 奈良大学, 社会学部, 専任講師 (30388889)
西村 順二 甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | わが国の卸売業 / 現代卸売業 / 卸売業とベンチャー型経営 / 卸売業の構造変化 / 卸売業の技術革新 / 卸売業と経営理念 / 卸売業の経営実態調査 / 現代卸売業研究会 / 卸売業 / 経営イノベーション / 卸売業研究会 / 卸売業経営実態調査 / 戦略経営 / ベンチャー型経営 / 阪神淡路大震災 |
研究概要 |
1.わが国の卸売業の現状を把握するとともに、革新的な経営を行うことによって、飛躍的な発展も可能であるような時代に入っていることを、理論的、実証的にも明らかにすることが本研究の目的であり課題であった。前2回の実態調査を踏まえて、今回、新たに、近畿2府4県と東京都まで範囲に入れて、詳細な卸売業経営の実態調査を行うことができた。また、重要な卸売企業の経営者に対して深堀のインタビューを行えた。「現代卸売業研究会」を計10回、開催し理論的考察を行った。これらの共同研究の成果として、小西一彦/現代卸売業研究会編『第3回卸売業経営実態調査』(兵庫県立大学経済経営研究所、2004年9月、1頁-115頁)を刊行することができた。個別的にも、字頁のように、いくつかの研究成果を発表することができた。今回の助成研究で研究申請者らが得た成果は大きかったと総括できる。なお、本様式には掲載されなかったが、今回の研究では、申請者たち以外にも、計9名の研究者・大学院生が「現代卸売業研究会」のメンバーとして参加し、それぞれ関係の研究成果を執筆している。 2.2004年3月に実施した「第3回卸売業経営実態調査」(対象は、比較的大規模卸の東京都1000社、大阪府1000社、兵庫県500社、その他近畿500社、計3000社と、中小零細だがベンチャー型の全国1000社卸を、同一設問でアンケート調査し、それらをいろいろな角度から分析した。その結果、卸売業では、今、猛烈な勢いで規模の拡大や吸収合併が行われているが、意外にも、規模自体は経営成果と相関するところはないことがわかった。規模より経営の考え方や企業化精神、経営理念、市場でのポジショニング、企画力、営業力、技術力、評価システム、職場の雰囲気、意思決定の速さ、など、端的に言えば、ベンチャー的な新しい時代の経営であるか否かこそが、経営の成果と大きく関係していることが確認できた。 3.社会的には相変わらず「卸中抜き」論が根強いが、それは理論的には誤りであること、実際上も飛躍する卸がかなり多く存在していることを、申請者たちはこれまでも繰り返し強調してきたが、今回も、同様のことを、一層、確かなデータに基づいて強調することができる。今、卸売業は、これまでの長い冬の時代を終えて、再活性化の時代を迎えているということができるだろう。阪神・淡路大震災の影響で被害が大きかった地域の卸売業の最新の状況も調査したかったが条件が不足していたのでできなかった。また、一層、体系的な卸売業の理論の構築とマクロ的な政策の提言を行うまでは至らなかった。これらはわれわれに残された大きな課題である。
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