研究課題/領域番号 |
15530304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 一水 神戸大学, 経営学研究科, 助教授 (90235937)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 税務計画 / 報告コストと税金コストの調整 / 利益制御 / 確定決算主義 / 経理要件 / 財務報告コスト / 税コスト |
研究概要 |
1.財務報告会計と課税所得計算の制度的関係の国際比較 企業集団の次元では連結財務諸表制度と連結納税制度の分離・独立が観察されるのに対して、個別企業の次元では、なお(1)財務報告会計と課税所得計算の分離(英国、米国、アイルランド、デンマーク、オランダ等)と(2)課税所得計算の財務報告会計への依存(ドイツ、フランス、オーストリア、スウェーデン、日本等)の2種類の関係が並存していることがわかった。しかしながら、上記1類型(2)に分類される国はもちろん、類型(1)に分類される国であっても、実際には財務報告会計と課税所得計算が一致する傾向がみられ、その結果、税務上の配慮が財務報告会計に介入する可能性のあることが観察された。 2.わが国における確定決算主義の内容の検討 「確定決算主義」の内容を(1)課税所得計算の財務報告会計に対する制度上の依存、(2)確定決算経理要件、(3)会計基準の補完の3つに分け、さらに(1)を(i)手続上の依存と(ii)具体的処理と判断の準用の2つに細分して理解すべきであることを強調した。 3.中小企業における財務報告と課税所得計算の相対的重要性 中小企業では、一般的には財務報告よりも課税所得計算が優先されるものの、規模が大きい企業と公開予定の企業では課税所得計算よりも財務報告を重視する傾向のあることがわかった。 4.わが国における財務報告会計と課税所得計算の制度的関係の機能に関するモデル分析 上記2での検討を受けて、わが国における財務報告会計と課税所得計算の制度的関係をモデル化し、財務報告コスト削減動機と税金コスト削減動機が対立する状況を特定し、そこでの対立調整過程が財務報告会計と課税所得計算の両方の裁量的利益制御を抑止する機能があることを示した。
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