研究課題/領域番号 |
15530328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉万 俊夫 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10135642)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 地域コミュニティ / 地域活性化 / 教育 / 医療 / 活動理論 / 協同的実践 / グループ・ダイナミックス / コミュニティ / 地域づくり / 地域医療 |
研究概要 |
「住民主導による教育・医療」を軸とした地域コミュニティ活性化の可能性を、当事者との協同的実践を推進、貴重な実例をつくりつつ検討した。同時に、「閉鎖的な専門的組織・専門家集団への依存」を前提に運営されてきた教育・医療制度を、住民の主体的参加を前提にした制度へと転換する方途について、Y.Engestromの活動理論(activity theory)を理論的枠組みにして考察した。 具体的なフィールドには、(1)住民主導の教育実践として、大阪府寝屋川市で展開されている「寺子屋Neyagawa」の活動(毎週土曜に学校を舞台に住民が手作りの教育をする活動)、(2)住民主導の医療実践として、京都市小野郷地区における「地域医療の拠点づくり」の活動(無医地区に住民主体で診療所を設営・運営する活動)をとりあげた。いずれにおいても、研究者が当事者と共に活動を推進しつつ、その経過を追尾し、問題点や失敗経験をも含めて発信した(著書「コミュニティのグループ・ダイナミックス」)。とくに、(1)に関しては、学校側の抵抗に抗して敢えて学校を活動の場とすることによって、学校そのもののあり方を問い直し、地域の教育機能を復権させる可能性を指摘した。(2)に関しては、「医者と患者(住民)の上下関係を是認した上で、医者が患者重視の医療サービスを提供すること」をもって理想的な医療とみなす風潮の中、「住民主体の地域医療」という理念に理解を得ること自体が、最初に乗り越えるべき大きな壁として立ちはだかっていること、また、高齢化した地域における住民主体の診療所運営は、医療以外の領域でも住民が地域活性化に積極的に取り組み出す起爆剤になりうることを指摘した。
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