研究課題/領域番号 |
15530353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
田中 滋 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60155132)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ダム / 専門職者 / 環境問題 / 社会運動 / 公共事業 / 科学 / 流域委員会 / 環境 |
研究概要 |
戦後日本の様々な環境問題において、専門職者・研究者はまさに多様な役割を演じてきた。水俣病の被害者に対する支援活動においては、医師、弁護士、社会科学者などが水俣病の原因究明や患者の発掘、法廷闘争、世論形成などの様々な局面において大きな働きをしてきた。一方、水俣病の発生源となった近代的な工場設備の作動は当時のエリート技術者によって担われていたわけであるし、被害発生後、企業サイドの専門職者は水俣病の早期解決を阻害するばかりか被害の拡大を招く働きをすらおこなってきた。 U・ベックも指摘しているように、現在、リスク社会化にともない専門職者の権威喪失が言われ、専門性の新しい形が模索され始めている。そうしたとき、公害被害者救済運動や大規模公共事業などの戦後日本の様々な環境問題において専門職者がどのような役割を果たしてきたのかを歴史的に考察し専門職者の現在の役割と比較しその将来を展望することの重要性は一段と増大している。 本科研費研究は、研究代表者がこれまで研究してきたダム建設という大規模公共事業にかかわる環境問題に対象を絞り、ダム建設推進や建設反対のそれぞれの立場からどのような専門職者がどのような主張をどのような社会的・文化的背景の下にどのような科学的枠組みによって展開し、どのような事柄が両者間で争点となってきたのか歴史的にあきらかにするとともに、その変化を理論的に把握することを目的として研究をおこなった。 多様な専門職者や知識人がそれぞれの専門領域を越えて相互作用することで生み出される公共空間の存在が問題解決にとって重要な要因となることが明らかになった。
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