研究課題/領域番号 |
15530357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山本 剛郎 関西学院大, 社会学部, 教授 (90068742)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 日系アメリカ人 / 社会的貢献 / 組織 / 農業 / 生活構造 / 差別・偏見 / 婚姻 / 階層 |
研究概要 |
1)本研究の目的は、日系アメリカ人(第二次世界大戦以前は在米日本人と呼ばれていたが、以下では日系人に統一)が、カリフォルニア社会に、ひいてはカリフォルニア農業に果たした役割、つまり彼らの社会的貢献の問題を、19世紀末から今日に至る100年という長期的スパンに立ってマクロ的・歴史的に考察する点にある。 2)研究方法は、(1)マクロ的観点から、日系人のカリフォルニアへの出稼ぎ・定着の歴史的状況の把握と、(2)現地社会で実施されたインテンシブな日系人農業コミュニティ調査についての報告書の解読、およびその著者へのインタビュー、に大別される。 3)マクロ的観点からの(1)に関しては,わが国において入手可能な文献をもとに研究を進めた。各種統計資料、日系移民資料集、カナダ移民資料集、米国日系人百年史、南加州日本人史、さらには日本語新聞や日系新聞を活用し、日系人の生活構造を主に農業に焦点を当てながら、カナダとの比較において時系列的に行った。そこでの結論は、日系人の経済的上昇、農業界でのホスト社会への貢献は、差別や偏見を結果的に生んでいった、というものである。 4)インテンシブな観点からする(2)に関しては、UCLAのAsian American Studies CenterのV.Matsumoto教授、およびJapanene American National Museumの主任研究員Akemi-Kikumura氏から多くの示唆と指導を受けた。Matsumoto教授は、日系人が1910年代後半に新規に開拓した農業コミュニティ(Cortez Colony)を1980年代前半に克明に調査し、それを優れたモノグラフにまとめられているので、同氏には、この農業コミュニティを中心にその後の日系人コミュニティの動向、変動過程、ホスト社会の日系入観などを中心に聞き取りを行った。Akemi-Kikumura氏からは、同氏が長年調べておられる内陸部の農業コミュニティの動向を、婚姻をキーワードにして聞き取りを行った。 5)これまでの100年間、日系人は同胞のコミュニティを形成・維持・発展させてきた。そしてこの過程で差別や偏見に遭遇しながら、それらに耐え、結果としてアメリカ社会に貢献してきたといえる。しかし、いま曲がり角に来ている印象を持つ。それは、intermarriage率が高まり、日系人コミュニティの境界が不明確になりつつある、いうことである。
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