研究課題/領域番号 |
15530401
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
釘原 直樹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60153269)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 災害 / 不運 / リスク / 死の評価 / コントロール感 / 群集衝突 / 避難行動 / 援助 / 死因 / バイアス / 接触回数 / 感情負荷 / 過大視 / 頻数認知 / ポジティブ語 / 死亡率 / コントロール可能性 / 若者 / 高齢者 / 性差 / 人口動態統計 / 経験 / コントロール / 保険 / 被害発生確率 / ギャンブル |
研究概要 |
本研究は第1に災害や不運の遭遇経験がその後の災害に対する対応行動にいかに影響するかについてスロットマシーンを使った実験によって明らかにした。自動車事故では年間万単位の人が死亡しているが、人々はそれよりもダイオキシンや環境ホルモンの問題に対して過敏に反応する。本研究では災害のコントロール可能性と責任が危険認知や対応行動に及ぼす影響について検討した。実験の結果、コントロール可能性が高い場合と責任が小さい場合にはリスク対応レベルが低くなった。またコントロール可能性が低く責任が大きい場合は被害確率が高く被害の程度が小さいときリスク対応レベルが高くなった。 第2の研究として、不運の究極の形としての死の経験が死に対する主観的評価に与える影響について若者(大学生)と高齢者を対象として吟味した。3つの条件(1.評価者が男性の場合と女性の場合、2.自分の死を対象とした場合と他者の死を対象としだ場合、3.同性の死を対象とした場合と異性の死を対象とした場合)を設定して、死に対する主観的評価の違いについて調査した。調査の結果、若者は自分や同性他者に比べて異性の死亡率を低く評価した。一方高齢者の場合、女性は男性に比べて自分の死亡率を低く見積もった。そして高齢者の死亡率評価は若者より低いという、常識と異なる結果が得られた。 第3に複数の集団の遭遇、合流と衝突に関する野外実験を行った。密集している2つの集団成員(それぞれ25名)が速歩で特定の場所を通過する状況を構成した。実験の結果、対向条件(正面から衝突)では筋状の流れが形成されたが交差条件(90度の角度で衝突)では成員の挙動が複雑になりスムーズな離合が困難であった。 第4に緊急事態からの避難行動について検討するために、航空機の離陸失敗事故の調査と、実験室実験をおこなった。研究の結果、緊急事態が深刻であるほど既知の人同士の援助が行われた。緊急事態でも日頃の人間関係の有無が大切であることが明らかになった。
|