研究課題/領域番号 |
15530403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
外山 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (20132061)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 社会的認知 / 人と状況 / 帰属理論 / 推論 / 帰属過程 / 多変量解析 / 分類 |
研究概要 |
社会的推論研究においては、「人」対「状況」という枠組みが広く用いられているが、「人」の研究に比較して「状況」の研究は立ち遅れている。本研究は、社会的推論との関連で心理学的状況の意味を探究し、その分類を目指したものである。研究は、日常的な対人状況の分類を試みる第1部と、社会的推論に際しての状況の役割を吟味する第2部に分かれ、前者は調査研究2つ、後者は実験研究3つから構成される。まず研究1(調査1)では、状況の拘束性という点から諸状況の分類を試みた。5種類の評定をもとにクラスター分析を行い、3つのクラスターを見出した。研究2(調査2)では、情意的な意味を含めたSD評定をもとにして、多次元尺度構成法によって各状況の空間的な布置を明らかにした。2次元解での次元1は快-不快に対応し、次元2は沈静-喧騒に対応するものであった。第2部では、言語材料を用いた実験2つとビデオ映像を用いた実験1つを行った。研究3(実験1)では、単文による行動記述から特性推論を求める際に状況要因が考慮される程度を吟味した。結果では、状況的促進要因が存在する場合でも、行動に対応する行為者の内的特性が推論されやすく、また状況要因の評定と特性推論の間には、予測されるような負の相関が見られなかった。研究4(実験2)では、人の側、状況の側双方の原因が考えられる場面を呈示して、状況推論と特性推論を検討した、結果では、情動的反応に対しては状況推論、能力関連行動に対しては特性推論が生じやすいこと、また割引型の推論は、状況・特性どちらに対しても生じ得ることが示された。研究5(実験3)では、ビデオ映像の視聴に際して、実験参加者の関与を強める教示を行うと、状況に対する注意の程度が増し、状況推論が強く生じるのではないかという仮説を検討したが、関与群が全般的に注意深く映像を見る傾向は示唆されたものの、推論に関しても、記憶の測度に関しても、統制群との間に明瞭な差は見られなかった。
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