研究課題/領域番号 |
15530406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
中里 至正 東洋大学, 社会学部, 教授 (30058036)
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研究分担者 |
松井 洋 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (00095465)
中村 真 川村学園女子大学, 文学部, 助教授 (70281318)
松本 恒之 東洋大学, 社会学部, 教授 (10058018)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 恥意識 / 行動抑制力 / 中・高校生 / 親子関係 / 国際比較 / 恥意識の構造 / 中・高生 |
研究概要 |
今年度の研究の主たる目的は下記の3点に要約される。第1の目的は、昨年度の研究である程度まで明らかになった日本の若者(中・高校生)の恥意識の心理学的な構造をさらに精査することである。第2の目的は、その結果により改訂された新しい恥意識調査票を基にして、恥意識と道徳意識、愛他意識、価値観、非行的態度との関係を明らかにすると同時に、恥意識と親子関係の良否との関係を検討することある。第3の目的は、日本の若者と同年代のトルコの若者の恥意識を国際比較することによって、日本の若者の恥意識の特徴を知ることである。 今回の研究の結果を要約すると以下のようになる。 1.日本の若者の恥意識は、(1)自律的恥意識(自らの基準にはずれたことによる恥意識)と、(2)他律的恥意識A(特定他者との関係で生じる恥意識)と、(3)他律的恥意識B(不特定他者との関係で生じる恥意識)の3要因によって構成されている。 2.一般的に言って、恥意識の強弱は、道徳意識、愛他意識、価値観、非行的態度の良否と関係している。具体的には、恥意識の強いものは弱いものよりもほぼ全ての点で社会的に望ましい態度を示しているのである。恥意識は特に非行的態度との関係で、強い行動抑制力として機能していることが確かめられた。また同時に、親子関係の良否は、子どもたちの恥意識の形成と密接に関係していることも確かめられている。 3.トルコの若者と比べると、日本の若者は極めて異質である。具体的には、日本の若者の恥意識は、トルコの若者よりも全てにおいて低いだけでなく、道徳意識、愛他意識、価値観、非行的態度についてもトルコの若者の方が良好である。また、親子関係についても日本の若者の方が問題を抱えている。 以上の結果から、我が国では若者だけでなくその親にも問題があると推測された。
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