研究課題/領域番号 |
15530411
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院・文学部, 教授 (10212028)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 意思決定 / 意思決定過程 / 社会経済 / リスク認知 / ファジィデータ解析 / 過程追跡技法 / 判断 / 画像解析 / 社会経済現象 / リスク / 消費者行動 / 数理モデル / 計量モデル |
研究概要 |
本研究の目的は、過程追跡技法などの心理学的方法論や数理計量的方法論を用いて、社会経済環境における判断と意思決定現象を解明し、社会経済現象を意思決定過程分析より明らかにすることであった。意思決定過程は、我々の社会生活や社会経済環境において容易に見出される現象であり、人々は、このような社会経済環境の中で意思決定を行っているのである。それ故、社会経済環境での意思決定過程に関する研究は、社会経済現象の理解にとって有用であると考えることができる。 意思決定現象を説明する上では、効用理論が代表的な理論である。効用理論は、多くの意思決定現象を説明することに成功しているが、意思決定の記述の仕方や意思決定手順やその他の外的課題状況の影響による状況依存的意思決定を説明することには成功していない。例えば、トゥベルスキーとカーネマンが示したように、客観的には同じ意思決定問題であっても、その意思決定問題の記述が異なることによって、その心的構成が変化して、異なる意思決定の結果になるような現象が存在するのである。 本研究では、まず第一に、なぜ効用理論の体系が状況依存的意思決定を説明できないのかを明らかにした。この効用理論には、ランク依存効用理論のような非線形効用理論でさえ含まれることを指摘した。第二には、社会経済環境における状況依存的意思決定を説明する新しい意思決定の定性的モデルを提案した。第三には、社会調査や面接技法や理論的分析を通じて、判断と意思決定に関する社会状況の基本的なタイプを明らかにした。第四には、いくつかの心理実験を通じて、社会経済現象における状況依存的判断と意思決定の定性的特徴と定量的特徴を明らかにした。第五には、過程追跡技法などを用いてリスク判断や意思決定の認知過程の定性的特徴を明らかにした。第六には、心理実験や社会調査の知見をもとに、ファジィ集合論を用いた心理計量モデルや社会経済環境における判断と意思決定を説明する数理モデルを作成した。 これらの知見は、国際学会や国内学会で発表された。また、いくつかの知見は、学術誌において公刊されている。
|