研究分担者 |
松井 豊 筑波大学, 心理学系, 助教授 (60173788)
水田 恵三 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 教授 (70219632)
田中 優 大妻女子大学, 人間科学部, 講師 (40316914)
清水 裕 昭和女子大学, 人間社会学部, 助教授 (70246007)
福岡 欣治 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (80310556)
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研究概要 |
本研究は自主防災組織を中心とした地域コミュニティの活性化を支援するプログラムの作成を目指す研究の一環としてなされた。基本計画は2カ年で,初年度は支援プログラムの実施可能性を探ることを目的とし,2年目は,支援プログラムの具体化を探ることを目的とした。これらの目的のために初年度には4つの調査-1.神戸市における防災福祉コミュニティの代表者へのヒアリング調査,2.神戸市における小学校長へのヒアリング調査,3.神戸市における中学校長へのヒアリング調査,4.東京都区部における小学校長へのヒアリング調査-を実施し,2年目には5つの調査-1.神戸市における防災福祉コミュニティを対象とした防災活動事例の収集,2.神戸市の防災福祉コミュニティにおける防災訓練ソフトの試行実施,3.大学生を対象にした防災訓練ソフトの試行実施,4.新潟県豪雨災害の被災地における避難所リーダーへのヒアリング調査,5.新潟県中越地震の被災地における避難所リーダーへのヒアリング調査-を実施した。また,これらの活動と平行して,開発中の防災訓練ソフトの改訂を数度実施し,防災活動の支援ツールとしての完成度を高めた。これらの研究を通じて,地域防災を担うコミュニティづくりの基本を小学校区単位とする構想が規模的に適切であることが確認された。また,地域の防災力を強化するためには,事後のみならず,事前の備えにおいても心の問題に目を向けることの重要性が明らかになった。そのため,地域防災コミュニティの活性化に向けた支援プログラムは,近隣の互助力につながる住民間の交流を促進する方向で開発することにより,単に平常時のコミュニティ活動を活発にするだけではなく,災害発生時のライトレスキューを担う重要な防災力の強化支援ツールとして機能すると考えられる。
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