研究課題/領域番号 |
15530421
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
進藤 聡彦 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (30211296)
|
研究分担者 |
麻柄 啓一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (40134340)
服部 一秀 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (60238029)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 社会認識 / 象徴事例 / 教授法 / 歴史学習 / 概念変容 / 学習の面白さ / 命題の学習 / 社会科 / 好奇動機 / 言語教材 |
研究概要 |
多くの教科学習において、「pならばqである」あるいは「pはqだ」といった命題形式で記述可能な言語教材が取り上げられる。そうしたルールと呼びうる命題を事例によって具体化するに際して、従来は主に前件pを具体化することが考えられてきた。これに対し、本研究では前件pの具体化では適切な事例が作りにくい(たとえば社会科学領域の命題や歴史の命題でそのような事態が生じる)場合があることを指摘し、さらにそのような場合でも、ルールの後件qを具体化することによって適切な事例を作りうる場合があることを示した。そして、後件qの具体化による事例を象徴事例(symbolic instance)と命名した。 そうした理論的検討を行った上で、象徴事例の学習に及ぼす効果を実験により検証した。その結果、象徴事例の教授によって元の命題の理解が深まること、意見命題においてもその受け入れを促進すること、またその意外感が学習に対するおもしろさを喚起する可能性があること、などの知見を得た。更に学習に有効な象徴事例の条件として、無視や排除といった過程が生じにくいものである必要があること、命題の理解を促進したり、誤った認識を修正したりするためには複数の象徴事例の教授が有効に機能することなどの結果も得られた。 こうした象徴事例の効果は、歴史学習を中心に機械的学習にとどまっていると批判されてきた社会科学領域の教科学習を有意味学習に変えること可能にする可能性がある。また,本研究の教育心理学研究における意義としては,これまで取り上げられることが少なかった歴史の教授方略の問題を研究対象とした点にあると考えられる。
|