研究課題/領域番号 |
15530448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
皆藤 章 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (70204310)
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研究分担者 |
大山 泰宏 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助教授 (00293936)
濱野 清志 京都文教大学, 人間学部, 教授 (10218547)
坂田 浩之 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 講師 (70340627)
石原 宏 京都大学, 教育学研究科, 助手 (40378500)
金山 由美 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (00269739)
鈴木 七美 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (80298744)
鶴田 英也 京都大学, 教育学研究科, 助手 (60346096)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 語り / 心理療法 / フィールドワーク / 体験 / 文化 / 臨床心理学 / 沖縄 / 出雲 / 沖縄・南西諸島 / 山陰・出雲地方 / 癒しの文化 / 体験の語り / 宮古島 / シャーマニズム / 御嶽 / 風景構成法 |
研究概要 |
研究目的は以下の三点であった。 1.心理療法を「癒しの文化」の視角からフィールドワーク的に検討する 「癒し」をある種の文化として担ってきた沖縄地方、出雲地方に研究者自身が赴くフィールドワーク体験を、同様に「癒し」を担う心理療法場面に訪れるクライエントの体験と重ね合わせる形で討議・検討を行なった。ここにおいて、従来はセラピストの側からのみ検討することで構築されてきた心理療法理論とは異なる、「文化」とも言える「場面性」や「関係性」の概念を中軸とした知見が見出された。 2.上記の検討から風景構成法のアイテムが包含する歴史的・文化的意味を検討する たとえば、沖縄でのある方の風景構成法施行を契機として、その方が描かれた「川の源流」を実際に訪れることなどを行なった。風景構成法におけるそれぞれのアイテムは、単なる物理的・客観的な物体ではなく、描き手や描き手が生きる土地、あるいは広く「人間」を巡る歴史的・文化的な意味を担ういわば象徴として創出される。こうしたことが、フィールドワーク的検討という体験的理解の方法によって具体的に明らかになった。 3.以上の検討を通して、心理療法の実践・理解に向けた新たなアプローチ法を構築する 本プロジェクトは、近代的な主観と客観、個人と普遍といった二項対立の図式を超える、現代的な「関係性」の学の構築へと向かった。ここにおいて研究者は、個人の主観や思想に支えられてあるいはまた何らかの既成の概念や理論との照合から言語を編むのではなく、関係を生きるフィールド体験を通して生まれることばを紡ぐことに徹し、その「語り」をマテリアルとして共同討議を重ねた。こうした作業から、従来の科学的知見からは個人的・主観的として排除されてきた「体験」を、心理療法の実際場面を理解するために不可分な「知」として、学問的・論理的な視角から積極的に位置づけるという新たなアプローチ法の模索がなされた。
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