研究課題/領域番号 |
15530492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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研究分担者 |
桜井 均 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 助教授 (50119327)
石井 仁 盛岡大学, 文学部, 教授 (10193252)
長田 勇 愛知大学, 文学部, 教授 (60221157)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 学校経営 / 学級経営 / 学級担任配置 / 学級編成替え / 学級担任持ち上がり / 生徒指導 / 特別活動 / 少人数指導 / 学級担任配置慣行 / 学級編成慣行 / 学級編成替え周期 / 習熟度別指導 / 学級担任持ち上がり慣行 / 担任配置 / 学級編成 / 習熟度別編成 / 教育課程の編成実態 / 異質混合編成 / 落第 |
研究概要 |
本研究では、以下のような成果をあげることができた。 (1)学級担任配置には理念型として「学年固定」と「担任持ち上がり」の2種があるといわれている。わが国近代の学校史においては、落第制を前提とした等級制の下での等級固定配置、後の学年・学級制の成立以降では学年固定法が基本形として広く採用されていたと考えられる。しかし、明治24年の学級制への転換以降、次第に担任持ち上がりが学級担任配置の理想型と考えられるようになった。戦中・戦後の教員の人材難や戦後の民主化による平等要求の高まりによって担任持ち上がり法は維持しがたくなったが、担任持ち上がり法の教育理念である「人間関係の調整」「人間関係を通しての人間形成」は継承され、後の「特別活動」に代表されるカリキュラム領域において追求されるようになった。 (2)全国の小学探831校から回収された調査票から、学級担任の配置周期1年の学校が4割強となり、最近5年間で急速に増えている傾向が明らかになった。また、少人数教育の政策的推進によって、多くの小学校で少人数指導・習熟度別指導が実施されるようになった。一方、特別活動については、特に、各学校で裁量する「児童会活動」、「クラブ活動」、「学校行事」のいずれもが、その実施時数を減少させていることが明らかになった。 (3)明治期から昭和戦前期にかけての学級担任配置のあり方を、松本市旧開智学校博物館に収蔵されている公簿その他を通して調べ、次第に学級担任の配置周期が長期化する傾向、及び学級編成替えの周期も長期化し、ついには固定化に至る傾向があることを実証した。 この結果、初めは担任配置及び学級編成によって、後には、「特別活動」のようなカリキュラム上の工夫によって教師・児童間及び児童相互の人間関係を濃密化し、それによって人間形成を図ううとする教育観の生成と崩壊の軌跡を明らかにすることができた。
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