研究概要 |
本研究では,第一に,家庭・学校・地域社会の教育連携に,情報発信・情報受信のための学校のインテリジェンス情報の精緻化の必要性を明らかにし,第二に,学校評価システムの動向や定着状況の検討から,学校評価システム導入による教育連携の推進が学校の特色ある教育の推進に不可欠な視点を提供することを確認した。第三に,学校評価システム導入・定着による教育連携の推進をめぐって,学校経営上の課題を明らかにし,特色ある開かれた学校づくりの視点を踏まえ,今日の子どもの変容に対する教育経営研究のあり方を考察し,子どもの育ちの場において子どもの成長にかかわる人と組織がその役割を確実に遂行すること,そのなかで人や組織は連携・協働して相互補完的に子どもに向き合うことを可能とする装置として,学校評価システムが教育連携の推進に機能できることを明らかにした。 報告書では,(1)徳島市における1984・1994・2004年実施の保護者対象調査の比較を通して,地域の変化を踏まえ,家庭・学校・地域社会の役割分担と教育連携に関する保護者の意識変化について明らかにし,(2)広島県における学校評価システムの導入・定着調査から学校評価システムの導入・展開に関する意識と教育連携の推進方策について,子どもの変容にかかる教育経営の推進を展望して学校評価システムの導入・定着による家庭・学校・地域社会の教育連携の基本的視座を明らかにした。特に,家庭・学校・地域社会それぞれの教育力を高めるために,今日,三者に求められる課題とともに,教育連携の推進方策として,学校評価システムの導入・定着を踏まえ特色ある開かれた学校づくりの基本的あり方についての示唆,さらに,教育連携の推進における学校管理職の役割についての示唆を明らかにした。
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